「くそっ、入る健康保険を間違えた…」「数十万も損した…」 定年退職後の賢い健康保険の選び方。「任意継続VS国保」保険料は結局“どっちが得”なのか?
これはかなりの負担に思えますが、保険料には上限があり、前年度の収入が高い人は、退職した年は任意継続のほうがオトクなケースもあります。 なお、任意継続の場合の保険料は、会社に確認すると教えてくれます。任意継続の大きな魅力は、会社員時代と同様に健康診断や人間ドックなどの費用補助等の保障を受けられることと、扶養家族が継続できるため、保険料が安くなる場合があることの2点です。 ■任意継続は「途中脱退」が可能に!
少し前までは、①の任意継続を選択した場合、「2年間の加入」というのが義務でした。しかし、2022年の法改正によって、任意継続の2年縛りがなくなり、いつでも脱退することが可能になっています。 任意継続の保険料は、退職後に収入が減ったとしても1円も変わらず固定となっているので、2年目の保険料の負担が大きくなってしまう可能性があります。そのため、退職によって1年目の収入が大幅に減ってしまった場合、2年目は国民健康保険に入るほうが安くなる可能性が高くなります。
その場合、2年目は任意継続のままにするか、国民健康保険に切り替えるかを検討するのがオススメです。 国民健康保険の保険料は自治体によって異なるので、お住まいの市区町村の役所窓口で確認するか、もしくは「国民健康保険料計算機」というウェブサイトで確認しておくとよいでしょう。 ■退職1年目は任意継続、2年目は前年所得で検討 ここで、①の任意継続と②の国民健康保険を選択した場合の具体例をそれぞれ見ていきましょう。下の図表を見てください。
田中さん(仮名)は、64歳で退職。退職前の年収は420万円、65歳からの年金収入は220万円とします。 田中さんが独身の場合、1年目の保険料は任意継続と国民健康保険のいずれを選択しても、ほとんど変わりませんが、2年目は国民健康保険を選択したほうが約30万円も安くなります。 一方、扶養家族がいる場合は、1年目は任意継続をして、2年目に国民健康保険に切り替えるのがオトクという結果になります。 ただし、保険料は、扶養家族の有無や人数、退職前の給与など個々のケースで異なるため、どちらがオトクかは実際のケースごとに計算してみないとわかりません。
また、健康保険組合には健康診断など独自の保健事業サービスを行っていることもありますので、保険料だけにとらわれず、トータルで自分にとって最適なものを検討してみるといいでしょう。
節約看護師りょう :節約系インフルエンサー