黒木メイサがJKに ブッ飛んだ設定に、なぜか漂うあるある感『オトナ高校』
テレビ朝日系の土曜ナイトドラマ『オトナ高校』が21日、第2話を迎える。深刻な少子化問題に歯止めをかけようと、性経験のない30歳以上の男女を入学させ、本当のオトナになるための英才教育を受けさせるため設立された極秘国家プロジェクト「オトナ高校」。生徒として召喚された童貞のエリート行員・荒川英人役に三浦春馬、いまだ処女のキャリアウーマン・園部真希役に黒木メイサ、さらに50代で英人の上司ながら童貞の権田勘助に高橋克実など、バラエティーに富んだキャストがブッ飛んだシチュエーションで見せるコミカルな展開が楽しい。
黒木メイサの役柄もブッ飛んだ設定 あり得ない設定も根底には「あるある」感も?
だからといって童貞や処女であることそれ自体を問題視するわけではなく、結婚や出産を人々に強制するというわけではない。性未経験を気にせず、恋愛結婚や性経験に興味ない人はあらかじめ調査で省かれており、性未経験のまま30歳以上になったが性経験や恋愛、結婚することを願っているのにうまくいかない、という人々を選んで入学させている。ブッ飛んだ話だからなんでもアリというわけではなく、設定はよく考慮されている。いまの若い世代は恋愛や結婚に対し積極的ではないようだから、30代以上が召喚の対象という設定も納得だ。 仕事面では自信満々のエリート行員である荒川は、デートとなると上から目線で相手の感情を逆撫でしてしまうような言動ばかり。そんな”イタい人”を好演する三浦からは目が離せないが、もう一人、いつも二番手に甘んじ現在も”不倫中の処女”というものすごい設定で芝居をしている黒木もこのドラマの中心的存在だ。かつて実写版映画「ルパン三世」で峰不二子を演じた黒木が、なんと処女役とは……。 私生活では2児の母親でもある黒木が、まさかの処女役。高校の制服姿からは背徳感させただようが、現実とはギャップのある大胆なキャスティングがこのドラマの面白さでもある。三浦演じる荒川もそうだが、社会的には人並み以上の活躍で認められている人物であるにもかかわらず、こと恋愛になると途端に落ちこぼれ状態になってしまう。実はそんな人、そこら中にいそうでもある。あり得ないシチュエーションでデフォルメされてはいるものの、根底には「あるよねー、あるある」感が満載だ。 一般の人の書き込みだが、以前ネットで、職場の上司とソリが合わずツライと悩んでいる人に対して、「上司がもし童貞だったら?処女だったら?と考えると、おかしくなってどうでも良くなるよ」なんていう書き込みがあった。完璧に見えるライバルや自分より立場が上の人に何か思わぬ意外なコンプレックスがあるのを知ったとき、憎めない何か、かわしらしささえ感じてしまう。そんな心理をもつくドラマなのではないか。 黒木のエキゾチックで濃度高めな雰囲気は、ドラマのブッ飛んだ設定に負けない。2話以降、どのような展開になるのだろうか? 次も観たい度 ★★☆☆☆ (文・志和浩司)