岡田将生さん「夫婦とは、家族とは……考えれば考えるほど難しい」
二也は、自分と似ているところが多いかもしれない
Prime Videoにて世界独占配信がスタートしたばかりのドラマ『1122 いいふうふ』。 累計販売部数 146 万部を超える大ヒット漫画のドラマ化で、夫の二也(おとや)役を演じる岡田将生さんに、お話を伺う機会に恵まれました。 インタビュー前編に続き、後編は作品やご自身の経験を通して「家族」について思うことを、話していただきました。 【撮り下ろし写真をすべて見る】「なんか最近、クセが多い役しかやってない(笑)」今作で演じる二也は、久々の「普通の人」 ※前編は本文下の「関連記事」からご覧いただけます! ---------- ──【前編のインタビュー】では、弱いところも含めて、二也の人間っぽさが魅力的だとおっしゃっていましたが、ご自分に似ているところ、もしくは似てないところはありましたか? 似てるところが多いかもしれないです。僕は家事が好きだし、ごはんをつくるのもすごく好き。あと家族との関係性も、似てるんじゃないかな。僕にも姉がいますし、さらに妹もいるので、女性の空間にいることには、ほかの男性よりも慣れていると思います。 ──インスタグラムでも、姪っ子さんが撮影した写真をアップされていたりと、ご家族の様子が垣間見えるときがありますが、どんな存在ですか? 会えない時間があるから、会えたときの時間を、大切にしたいです。今でもみんなでごはんを食べたりするんですが、20代のときって、意外とそういう時間をつくっていなかった。でも甥っ子や姪っ子が生まれ、家族が増えたことによって、よりみんなの距離も近くなり、会話も多くなった感じはしますね。 今は本当に、必要不可欠というか。僕も叔父として、彼らの成長を見守りたいですし、 会ったときには嫌われたくないと思っています(笑)。一緒にいる時間が本当に楽しくて。コンビニへ買い物に行くとかだけでいいんですけど。 ──もう、メロメロですね。 そうだ、先日甥っ子と僕で、手をつないで道を歩いていたんです。そうしたら1台のタクシーが通ったんですけど、乗車している人に、すごく見られている感じがして。でもこんな短時間で僕に気づくはずがないだろうなと思っていたら、携帯が鳴って。実はそのタクシーには、先輩の俳優さんが乗っていて「子どもと歩いてただろう」って、電話がきたんです(笑) ──すごい偶然! 「いや、すごく幸せそうな顔してる人がいたから見ていたら、岡田だった」って。 僕自身は、甥っ子といるときの自分の顔は見られないじゃないですか。でも他者から見るとすごく幸せそうな顔をしていたっていわれたことが、すごくうれしくて。やっぱり本当に必要不可欠で、癒しであるし……そうですね、大切な存在かもしれません。 ──ちょっと、今までにない幸福感でしょうか。 そうですね。「おじさん、インスタグラムっていうの始めたんだよ。知ってる?写真撮ってほしいんだよね」って言うと、ずっと写真撮ってくれるんです。基本的に、全部ブレてるんですけど、それもまたかわいくて。 ◆誰かを想う、純度の高い気持ちをもち続けていたい ──ほかにご両親などに、たとえば電話とかプレゼントといったことはしていますか? 僕、割と家族との距離が近いほうだと思います。会う頻度もすごく高いので、特別なことはしませんが、日常的に「みんなですき焼きやろうよ」「じゃあ肉買ってくね」みたいに、ごはんを食べていますね。まだ甥っ子と姪っ子が小さいので、外食できないのもあるんですが、いつかは、いいお店に行って、みんなで食べようっていう日が出てくるかもしれません。 ──やはりお話を聞いていると、岡田さんの中で「家族」という存在が、とても大きく占めている印象があります。以前「家族ものの映像や本が好き」という記事も、読んだことがあるのですが……。 今回の『1122 いいふうふ』も、一子(いちこ)と二也は夫婦で、家族なわけで。世の中にいろんな家族の形、僕が知らない愛があると思うんですよ。家族ものが好きなのは、それを知りたいというのもあると思います。 あと「相手を想う気持ち」には、基本的に嘘がなく、すごく純度が高いので、それを観たり読んだりしていると、気持ちがいいんです。ああ、こういう感情って本当にきれいだなって。家族だけでなく、誰に対しても、僕はそういうふうになりたいと思っているのかもしれません。 ──夫婦と家族の差も、『1122 いいふうふ』を観ていると考えさせられますよね。子どもがいれば家族、というのも違うのかなという感じがします。 とても難しいですよね。夫婦で家族という形をつくっていくけれど、その作業は、どちらかが折れてしまうと成り立たない。お互いとても歩み寄らないと、一緒に構築はできないですよね。自分たちだけじゃなく、相手の家族との距離感もあるでしょうし……家族になるって、本当に難しい。 ──『1122 いいふうふ』の世界に、どっぷりハマってますね(笑) 僕は義理の弟ともよく会うんですが、コミュニケーション能力も含めて、すごいなと思っているんです。家族の中に溶け込んでいますし、僕も家族だと思っている。義弟だけど憧れてもいますね、こういう人になりたいなって。 ──そうなんですか!? 最初、ちょっと戸惑いがあった僕に対し、少しずつ距離を縮めてくれたのが彼で。以降、一緒にごはんを食べるのが楽しくなりました。今も、日々成長する子どもたちの写真を送ってくれるので、すごくうれしいんです。 ──岡田さんは、素敵なご家族に囲まれているんですね。 このドラマは、夫婦にはいろんな形があって、各々に合った道を、相手とともに歩く。「こんな道もありますよ」を、伝える物語ではないかと。ほかに別の形の幸せがあるなら、夫婦という型にとらわれすぎるのも、よくないのかなと思ったりもしますね。