コハクチョウ、もうすぐ長旅に出発 春待つ田んぼで餌探し
安曇野市の田園で落ち穂ついばむ
日が傾きかけた長野県安曇野市の田園。その一角に50羽ほどのコハクチョウが集まり、餌を探していた。ゆっくりと歩きながら、長い首を巧みに使って雑草や落ち穂をついばむ。水面を泳いでいる時とは異なるしぐさを観察できる。
例年より少なかった今季の飛来 中旬以降に北帰行へ
白鳥の観察や保護に取り組む地元の団体「アルプス白鳥の会」代表の会田仁(まさし)さん(74)によると、コハクチョウは飛来数が増えてくると田んぼや麦畑で餌を探すようになる。今季は昨年10月に初飛来し、年明け以降、田んぼに舞い降りるようになった。芽吹きだした雑草や落ち穂をよく食べるという。 市内には例年、1月下旬~2月上旬のピーク時に500~1千羽程度が飛来するが、今季は250羽前後で推移。会田さんは、今冬は日本海側の積雪が少なく、新潟県や山形県の越冬地で餌を確保できるため、南下する個体が少ないとみている。北帰行は今月中旬以降に始まるとみられる。 (河西宏樹)