夫婦円満の秘けつを教えてくれた中尾彬さん「一番やっちゃダメなのは、相手に無関心になること」
映画やドラマ、バラエティー番組などで幅広く活躍した俳優の中尾彬(なかお・あきら=本名同じ)さんが、心不全のため16日に死去していたことを22日、所属事務所が発表した。81歳だった。アクの強い役柄を演じる一方で、首にストールを巻く「ねじねじ」がトレードマークになるなど、親しみやすい人柄でも人気に。妻で女優の池波志乃(69)とは芸能界きってのおしどり夫婦として知られ、10年ほど前から夫婦で“終活”に取り組んでいた。 【写真】中尾彬さん&妻の池波志乃、仲良し夫婦ショット * * * 芸能界きってのおしどり夫婦として知られる中尾さん夫妻のインタビュー撮影を担当したのは、2018年5月21日のことだった。普段から取材相手の表情を引き出すため、写真を撮影する時は相手と言葉を交わしながらシャッターを押すことを心がけている。中尾さんたちは当時、結婚40周年を迎えたばかり。どうしても聞いてみたいことが、一つだけあった。 「私事なんですが、この前、結婚4周年を迎えました。べたな質問で申し訳ないんですが、夫婦円満の秘訣(ひけつ)を知りたいです!」 中尾さんの答えは「けんかしたっていいんだよ」。思いがけない言葉に「えっ?」と聞き返した。 「けんかしたっていいじゃないか。夫婦で大切なことは、相手に関心や興味を持ち続けることなんだよ。関心があるから、時にはけんかだって起きる。結婚生活において一番やっちゃダメなのは、相手に無関心になることなんだよ」。言葉の重みに、シャッターを押す手が止まったことを今でも覚えている。 今月16日、私たち夫婦は結婚10周年を迎えた。「けんかしたっていいじゃないか―」。人生の大先輩から授かった教えは、その時から今も変わらず、私の夫婦生活における道しるべになっている。心からお悔やみ申し上げます。(写真部・相川 和寛)
報知新聞社