【日経新春杯】成長力で通用する4歳馬 本命候補はリビアングラス、ハーツコンチェルト
能力値1~5位の紹介
【能力値1位 ブローザホーン】 タフな馬場で行われた昨夏の札幌日経OPの覇者。同レースでは6番枠から五分のスタートだったが、かなり押すとスピードが乗り、序盤は単独4番手を追走した。前3頭が飛ばして行ったが、1~2角でペースダウンすると、そこで一気に差を詰めて2列目の外を追走。向正面ではかなり掛かって単独2番手に上がったが、3角手前でアケルナルスターが捲ってきたのでそれに抵抗して動いた。3角ではもう先頭。4角で仕掛けてすっと後続を引き離し、ラスト1F地点では後続と4馬身差。ラスト1Fで突き抜けて6馬身差で圧勝と、かなりスタミナがあることを示した。 【日経新春杯2024 推奨馬】極上の末脚が京都コースで炸裂する! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 先週の京都芝はかなり時計が掛かっており、タフな馬場。2400mも本馬にはもって来いの条件だが、今回は前走の京都大賞典を心房細動で競走中止した後の一戦。心房細動は一過性のもので、大半は復活するが、心房細動明けで自己最高指数やそれに準ずる指数を記録する馬はまずいない。 2022年のオールカマーで心房細動を発症して敗れたソーヴァリアントが次走のチャレンジCで復活Vを果たしているが、前年のチャレンジCほど鮮やかな勝ち方ではなかったように、ブローザホーンも前々走の札幌日経OP時の指数では走れない可能性が高いと見ている。しかし、ここでは能力値、最高値ともに1位の存在だけに、連下には買いたい馬である。 【能力値2位 ディアスティマ】 昨春の目黒記念の2着馬。同レースは7番枠からまずまずのスタート。内からトップスタートを決めたバーデンヴァイラーがハナを主張したが、押して1角までにハナを奪った。そこからはペースを超スローに落とし、特に動きがないまま一団で3角へ。3~4角でじわっとペースを引き上げ半馬身差のリードで直線を向いた。序盤でバラジに並ばれたが、しぶとく踏ん張ってラスト1Fで同馬を振り切った。しかし、最後は中目から馬群を捌いて強襲してきたヒートオンビートに差されてアタマ差の惜敗だった。 超高速馬場で前半5F62秒0(推定)-後半5F57秒9の超スローペース。つまり、逃げて内目をロスなく立ち回った本馬は展開に恵まれての結果である。しかし、極悪馬場で行われた昨年の日経賞では、緩みないペースで逃げるタイトルホルダーに4角まで食らいついて3着と善戦しているように、スタミナの裏付けもある。 前走のアルゼンチン共和国杯は前半が速い流れになったなか、13番枠からやや出遅れ、進みも悪くて前に行けなかったばかりではなく、ラスト2Fで追われても伸びずにジリジリ後退し、13着と大敗している。前走から立て直されているが、明確な調子落ちを感じさせる内容だっただけに、完全復活まではどうか。ただ今回は逃げ、先行馬が手薄。枠と斤量利のあるリビアングラスが逃げる可能性が高いが、その2番手でレースの流れに乗れる可能性が高い。前に行ける優位性を上手く生かせればチャンスがある。 【能力値2位 ヒンドゥタイムズ】 かなりタフな馬場で行われた昨年の小倉大賞典で初重賞制覇した馬。同レースは6番枠から五分のスタートを切り、そこから軽く促されて中団中目を追走した。1~2角で内目に入れて脚を温存し、3~4角の内目から徐々に馬場の良い外目に誘導。4角で前のレッドランメルトを内からかわし、2列目に上がって直線へ向き、中目からしぶとく伸びた。外のバジオウがしぶとかったが、これを残り100m付近で競り落とし、内から強襲するカテドラルを振り切ってハナ差で優勝した。 なかなか強い内容だったが、次走の大阪杯では最下位に大敗。小倉大賞典がかなりタフな馬場でペースもやや速く、消耗度の高いレースになったため、大きめのダメージが残ったのだろう。前走の京都大賞典も重馬場。アフリカンゴールドとアイアンバローズの逃げ争いも早めに決着がついてペースはそこまで上がらす、上がりのかかる馬場に恵まれて4着と善戦。5走前に準ずる指数を記録しているだけに、その疲れが懸念されるところである。前走後に立て直されてはいるが、京都大賞典で掲示板入りした馬たちがその次走で指数を下げていることから狙いにくい。 【能力値2位 サヴォーナ】 前々走の神戸新聞杯の2着馬。神戸新聞杯では6番枠から五分のスタートだったが、そこからじわっと促して先行策。2列目の最内でレースを進めた。道中は超スローペースで逃げるファントムシーフをとにかくマーク。3~4角でも最短距離を通って同馬の後ろから直線に向いた。ファントムシーフが抜け出したところに食らいついて2番手に上がったが、手強くなかなかかわせない。それでも徐々に差を詰めて、残り100m過ぎで捉えたが、そこを外からサトノグランツに差されてアタマ差の2着だった。 レコード決着だったが、コンクリート馬場の影響によるもので、前半5F61秒2-後半5F57秒2の超スローペース。出遅れ癖のある馬だったが、ここではスタートを決めて2列目の最内と絶好位を取ったことが好走要因。完璧な騎乗だった。 前走の菊花賞では8番枠からやや出遅れ。後方馬群の中で包まれ、位置を下げて外に出したが、1~2角のペースダウンで一気に動いて、2周目の3角手前で2列目の外まで上がった。3~4角では外目から前に食らいついて3列目で直線へ。追われてからの反応はやや地味で4着争いだったが、ラスト1Fで外からソールオリエンスに差され、前のリビアングラスにハナ差まで迫って5着でゴールした。 京都外回りの長距離戦は3角の位置取りが最重要ポイント。早い段階から前の位置を取って内々で脚をタメて追走するのがベストではあるが、本馬は上手く捲れており、3角手前で2列目付近まで上がってこられたことが好走に繋がった面がある。神戸新聞杯は展開がドンピシャで、菊花賞もやや展開がハマった感がある。レベルに疑問がある現4歳世代の重賞路線で善戦止まりだった辺りが不安材料だが、4歳馬だけに成長力で通用する可能性はある。 【能力値5位 レッドバリエンテ】 かなりタフな馬場で行われた4走前の熊野特別を圧勝した馬。その熊野特別は五分のスタートを切って、中団中目を追走した。向正面でタイセイドリーマーが捲ってきたので、これを追いかけてじわっと進出。3~4角でペースが上がると、かなり押っつけていたが、直線ではじわじわ伸びてラスト1F地点で先頭に立った。そこからは後続を引き離す一方で、4馬身差で圧勝した。 前々走のムーンライトHでも向正面で中団までじわっと進出し、しぶとく伸び続けてクビ差で勝利しているように、長くいい脚を使えることが長所。このタイプはキレる脚は使えないが、レース展開に応じて自由に動いて行けるので崩れにくい。 3走前の府中Sのように極端に上がりの速い決着になるとやや崩れることもあるが、今の京都芝ならそこまで上がりの速い決着にならないはず。ここも崩れずに走ってくると見ているが、相手が強いので勝ち負けまではどうか。