涙ぐむ漁師「船は漁業者にしたら家以上…」被災した港で転覆した船などの移動作業
緊急物資の輸送ルートなどに使用できるようにするため、地震で被災した珠洲市の漁港では27日から転覆した船などの移動作業が始まりました。 【写真を見る】涙ぐむ漁師「船は漁業者にしたら家以上…」被災した港で転覆した船などの移動作業 珠洲市の飯田港では地震や津波で15隻ほどの船が転覆したり、波消しブロックが沈んだりするなどの被害が出ています。北陸地方整備局は今後、港を災害廃棄物の搬出や資材の受け入れなどの拠点とすることが想定されるとして、27日から船などを引き揚げて移動させる作業を始めました。国は4月中の作業完了を目指しています。 北陸地方整備局能登港湾空港復興推進室・美野智彦 室長「さまざまなニーズに応えられるように。できるだけ早く終われるように全力で取り組んでいきたい」 港には所有する船が引き揚げられる様子を見守る男性がいました。珠洲市の濱野慶弘さん(66)は、20年以上連れ添った刺し網漁船が、地震で使えない状態になりました。 濱野さん「おそらくエンジンの中に水が入っている。これは親父に買ってもらってやっとるから25年くらい経つかな。やっぱり涙が出る。家と一緒。船は漁業者にしたら家以上」 濱野さんは今後、漁師を続けていくことを考える上で一次産業への支援が少ないと嘆きます。 濱野さん「支援は全然ない、みんな苦しいと思うよ。震災があってからもう2ヶ月。仕事しようと思ってもできない。残る人はいない。次、新たにやろうかなと思っても…この先、復興するまで、仕事できるまで何カ月かかるか。その間、耐えられないよ。みんな」 地元の産業をどのように支えていくのか、復興に向けた大きな課題です。
北陸放送