ガザ情勢で米欧間に隙間風(6月16日)
しかも今年のノルマンディー式典は昨年までとは異なり、米欧関係の微妙さが影を落とした。ウクライナ支援については、欧州諸国は米国と団結しているが、3万6千人以上のパレスチナ人が死亡しているガザ情勢については、イスラエル寄りの米国に不満がある。 とはいえ、フランスのマクロン大統領は、ガザをめぐる相違点を極力、表に出さないようにした。欧州との同盟を重視しないトランプ氏を11月の選挙で勝利させるわけにはいかないため、バイデン氏を歓迎して団結を演出した。 このように米欧関係が微妙な中で、7月には岸田首相がワシントンでのNATO首脳会議に出席する。ガザ情勢では欧州と足並みが揃[そろ]い、バイデン氏からの信頼も厚い岸田首相の役割は重要なはずだ。(渡部恒雄 笹川平和財団上席フェロー)