長谷川岳議員、上京の札幌市職員との面談1分で打ち切り「諦めなよ」
札幌市職員に威圧的な言動をとっていた自民党の長谷川岳参院議員(北海道選挙区)が昨年度、上京してきた市幹部との面談を1~3分で打ち切っていたことが市への取材でわかった。市は昨年度延べ284回(出張費約2千万円)にのぼった長谷川氏との面談を含む出張について「適正だった」としている。 【画像】「遅いのは犯罪なんだ」「なめたらいかん」…長谷川岳議員と市幹部の面談記録。それぞれ1分、3分だった。 市が開示した面談記録によると、「1分」で終了したのは今年3月1日。 デジタル戦略を担う幹部らが上京して参院議員会館の長谷川氏の事務所を訪問し、国の「デジタル田園都市国家構想交付金」申請の説明をしようとした。当時、長谷川氏は参院地方創生・デジタル社会特別形成委員会の委員長=のち、辞任=を務めていた。 長谷川氏は事前に訪問を求めていた係長が不在だったため、「連れてこないとだめだよって言ったよね。言ったよね?」などと発言。幹部がわびると「今日はやめよう。終わり。俺は約束どおりにやらないやつは嫌いなんだ」「黙って連れてこないで。そういうことが、国会では通じません」「無駄なことばっかりやってるね。もう駄目だよ。もう諦めなよ」と1分で打ち切った。 3日後、係長を含めて再度上京し、補助金申請の説明にあたったという。 昨年11月21日には、「3分」で終わった面談もあった。デジタル政策に関わる幹部らは、1カ月前に特別委の委員長に就任した長谷川氏へのあいさつや市の政策の説明をしようと参院議員会館の長谷川氏の事務所を訪ねた。 ただ、長谷川氏は「遅いよ。無理」「スピードがないデジタルは辞めろ。以上」「遅いのは犯罪なんだ」「なめたらいかんよ」「うん。帰れ。もうこの瞬間ダメ。終わり」「俺はね、スピード感ない奴が一番嫌いなんだよ」などと発言し、面談を打ち切った。記録上、市幹部の発言は「勉強不足で」のみだった。 市は、いずれの出張も長谷川氏との面談だけが目的ではなく「ほかの用務もあった」としている。(原知恵子)
朝日新聞社