杉田雷麟と寛一郎が禁じられた熊狩りに挑む、小説「プロミスト・ランド」映画化
作家・飯嶋和一が第40回小説現代新人賞を受賞した「プロミスト・ランド」が実写映画化。「福田村事件」の杉田雷麟、「せかいのおきく」の寛一郎が主演を務めることがわかり、ポスタービジュアルと場面写真が到着した。 【画像】杉田雷麟演じる信行 さまざまな“良い日”に生きる人々の物語を映画で伝えるプロジェクト「YOIHI PROJECT」。「せかいのおきく」に続く同プロジェクトの劇場公開作第2弾となる本作では、自然とともに生きるマタギの文化をテーマに、消えつつある伝統文化の継承が2人の若者を通して描かれる。春の東北、マタギの伝統を受け継ぐ山間の町で、家業の鶏舎を継いだ20歳の信行は、この土地の閉鎖的な暮らしに嫌気が差していた。流されるままに日々を送っていたある日、役所から今年の熊狩りを禁止する通達が届く。違反すれば密猟と見なされマタギとして生きる道が閉ざされることに。町のマタギ衆が決定に従う中、信行の兄貴分・礼二郎は頑なに拒み続けていた。後日、彼から呼び出された信行は、2人だけで熊狩りに挑む秘密の計画を打ち明けられる。 杉田と寛一郎が、信行と礼二郎役で主演。ドキュメンタリー「MATAGI」の飯島将史が監督を務め、長編劇映画デビューを飾った。また坂本龍一による「戦場のメリークリスマス」のサウンドトラックや、宮沢りえの写真集「Santa Fe」のアートワークを手がけたアートディレクター・井上嗣也がポスタービジュアルを担当している。 杉田は「本当にやりたい事は別にあるけど、今の環境から動こうとはしない。というより動けない。同じ経験がある方、結構居ると思います」と述べ、「この作品を見て、『やっぱり挑戦してみようかな』、『今のままの自分がいいな』、色々思うことがあると思います。どっちが正しいではなく、自分が感じ決めた事が正しい。是非一度ご覧下さい」とコメント。寛一郎は「人、文化、自然、をマタギを通して感じられる作品です。時代、受け継ぐこと、踏襲することとそうでないもの、その中で淘汰されること。いい作品になっています」とつづった。 また飯島は「是非、多くの方々に、春の雪山で熊を探して歩き続ける彼らと、同じ時間を過ごしてほしいと思っています」と、飯嶋は「この映画には、明治時代以降、我々が進んで失ってきた自然への畏敬と共生への願いがこめられている」と語っている。 飯島が脚本を執筆した「プロミスト・ランド」は2024年初夏公開予定。マジックアワー / リトルモアが配給を担当する。 ■ 杉田雷麟 コメント 本当にやりたい事は別にあるけど、今の環境から動こうとはしない。というより動けない。 同じ経験がある方、結構居ると思います。 そんなに言うなら、やりたい事をやればいいって簡単に言う人、 人と比べてくる人、どうなんでしょう。そんな簡単じゃ無いですよね。 この作品を見て、「やっぱり挑戦してみようかな」、「今のままの自分がいいな」、 色々思うことがあると思います。どっちが正しいではなく、自分が感じ決めた事が正しい。 是非一度ご覧下さい。 ■ 寛一郎 コメント 人、文化、自然、をマタギを通して感じられる作品です。 時代、受け継ぐこと、踏襲することとそうでないもの、その中で淘汰されること。 いい作品になっています。 ぜひ劇場で。 ■ 飯島将史 コメント 本作は社会や制度、文化、自然、価値観、様々な事が時代によって変わっていく中で、愚直に生きようとする二人の若者が主人公の話です。 原作小説は今から四十年前の東北の地を舞台に、マタギ文化特有の狭い世界を描いていますが、過去ではなく今の時代に通じる作品です。 是非、多くの方々に、春の雪山で熊を探して歩き続ける彼らと、同じ時間を過ごしてほしいと思っています。 ■ 飯嶋和一 コメント 山岳の神々に捧げられた映像詩 飯島将史監督の肉声は、殊に原作にはない「ケボカイ」の儀式から伝わった。ケボカイは、マタギが獲物を解体する時に行なわれる。ほふった熊の頭部を川下に向けて置き、剥いだ毛皮を数人が持ち上げて、持ったまま頭の皮を尻に、臀部の皮を頭部へと回し、体の肉に覆い被せる。熊の霊が天にのぼり、再び獲物となって現われるのを山の神々に祈念する儀礼である。マタギにとって深山の狩場は霊場であり、樹木や獲物となる鳥獣にも神が宿る。この映画には、明治時代以降、我々が進んで失ってきた自然への畏敬と共生への願いがこめられている。 (c)飯嶋和一/小学館/FANTASIA