「万年赤字」企業を再生ファンドが「救済」...そんな“美談”のウラにある身勝手すぎる実態
老後2000万円問題が叫ばれて久しい。しかし、生活水準を落としたくないのであれば「2000万円でも足りない」。政府の経済的支援を当てにすることもできない。現代日本ではサラリーマンであっても資産を形成することが求められている。そんな人は会社を買おう。もしあなたが一般的なサラリーマンならば、既に会社を経営するノウハウを自然と身に着けているのだ。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、平凡なサラリーマンが会社を購入し成功した例を紹介しながら、具体的に「どうやって資本家として成功するのか」を『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(三戸政和著)から一部抜粋して紹介する。 『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』連載第19回 『<! --td {border: 1px solid #cccccc;}br {mso-data-placement:same-cell;}--> 「普通のサラリーマンでも出来る」中小企業に本当に必要な“改革”…あなたの19個の「当たり前」が中小企業に革命』より続く
救済ではない
債務超過に陥った企業を再生ファンドが買い、「救済した」という記事を、時々目にすると思います。 なぜ、再生ファンドは、潰れるような会社を買うと思いますか。彼らは、なぜお金を出すのだと思いますか。 救済という言葉に惑わされないでください。 再生ファンドは基本的に民間企業です。公的機関ではありません。利益主義の営利組織です。ですから、社会正義のために企業を救済するなんてことは、政策的に設立されたファンド以外はしません。 再生ファンドは、ポテンシャルとしては高いものを持っているのに、経営があまりにずさんなため、赤字に陥ってしまった会社を狙っています。
「V字回復」は難しくない
資金がショートし、経営者がギブアップして、価値が下がりきったところで、最安値、底値で買っているにすぎません。 万年赤字の会社が2年で黒字になり、V字回復したというようなニュースを聞いたことがあるかと思います。そんなニュースを聞くと、いったいどんな高度な経営を導入したのかと考えることでしょう。ミスミグループ名誉会長で『V字回復の経営』シリーズで知られる三枝匡さんか、はたまた「経営の神様」稲盛和夫さんか。 とてつもないスキルと知能を持った経営のプロフェッショナルが、多くの熱量と労力を注ぎ込み、ドラマティックに、ドラスティックに、改革を断行していったのだろうと想像するのではないでしょうか。 しかし真実は、ほとんどの場合、先ほど挙げたような当たり前のことのなかから、特にできていなかったもの、赤字の主な要因になっていたものを見つけて、まともなマネジメントモデルを、いくつか導入しただけということが大半です。 そんなものです。経営資源が揃っていて、市場と売り物が悪くないのに、赤字に陥っている企業を少し黒字にするのは、いとも簡単なのです。 少し手を入れれば簡単に経営を立て直せることがわかりきっているからこそ、ファンドは懐からお金を出すのです。 『いま、日本の中小企業が危ない! ...大企業では「当たり前」のことを「なにも知らない」中小企業のヒドすぎる実態』に続く
三戸 政和(日本創生投資代表)