習近平の中国政府が「蘇州・日本人母子襲撃事件」で反日感情の隠蔽画策!「お見舞いの言葉ひとつもない」異例すぎる対応の内幕
「日本人が中国で襲撃された」事実を隠蔽!?
そして28日、蘇州市公安局は事件で刺された中国人女性の胡友平さんが病院で死亡と発表したが、彼女が刺された経緯に関する発表の文面は実に奇妙なもの。この奇妙な原文は以下のとおりである。 「24日午後、胡友平さんは蘇州高新区塔園路新地中心バス停留所で、人が刃物で凶行を行っているところを発見し、直ちに身を挺してそれを止めようと入ったが、犯罪容疑者に数回刺され、病院で救助されたが不幸にも死亡した」と。 この発表内容のまず奇妙な点は、胡友平さんは犯人が凶行に及んでいるところを「発見した」云々というところだ。事件の詳細を知らない人はそれを読めば当然、胡さんが無関係な人としてバス停を通りかかったところで偶然事件に遭遇したと理解してしまおうが、実際、胡さんが日本人学校のバスに添乗しているスタッフであって、そして犯人が狙ったのはまさにこのバスに乗る日本人だから、彼女がそれを「発見」したというのがおかしい。 そしてこの公式発表では、日本人学校のスクールバスのことも、同時に日本人母子が刺されたこともいっさい触れられていない。日本人が襲撃された事件であるにもかかわらず、胡さんはまさに日本人を助けるために刺されたにもかかわらず、この蘇州公安局の発表においては「日本」「日本人」という単語が一つも出ていないのである。 つまりこの公式発表は、胡さんの死亡を発表し、「人を助けて凶行を止めた」という彼女の事績を褒め称えたが、「日本人が中国で襲撃された」という肝心な事実を完全に隠蔽しようとしているのである。その一方、蘇州公安局が事件の容疑者についての情報をほとんど発表してないのもまた、こうした隠蔽工作の一環であると思われよう。
手の込んだ隠蔽工作をやる理由
前述のように、この事件に関して、中国外務省報道官が「世界のどこでもありうるような偶発的な事件」だと強弁しているが、単なる「偶発事件」であるなら、当局がそれほど手の込んだ隠蔽工作をやる必要はないのであろう。今年4月には同じ蘇州で似たような事件が起きたから「偶発」でもなんでもない。中国政府が長年行ってきた異常な反日教育が作り出した極端な反日感情はまず、この一連の事件の背後にある恒常的なものであると認識すべきであろう。 実際、今回の事件が起きた直後には、中国のネット上では一時、「お見事、よくやってくれた!」「やった人は民族の英雄だ!」「これは、国を挙げてお祝いすべきではないのか」といった、犯行に対する支持と称賛の声が溢れていた。これはまさに、日本人に対する襲撃事件を生み出す「社会の土壌」そのものである。 結局、中国政府は、日本企業を含めた外資がどんどん逃げていくことを恐れて、今回の事件の本質を隠蔽して、自らの作り出した反日感情というモンスターの存在を覆い隠そうとしているが、もちろん中国政府としては当然、こうした国民的な反日感情の存在と増殖に対して何かの改善策を講じようとは全く考えていないし、今回のような事件の再発生防止に取り込もうとする姿勢は全くない。 少なくとも日本人にとっては、このような中国は今でも今後においても、危険性が否定できない国なのである。 【続きを読む】⇨「G7からフルボッコ、台湾にも盾突かれ…『メンツ丸つぶれ』習近平が繰り出した『八つ当たり』衝突の内幕」
石 平(評論家)