株高、新NISA…でも「投資ストレス」に注意 臨床心理士作成の「己を知るチェックリスト」で認知バイアスの認識を
■「己の心のバイアスを知る」ことで判断のクセを把握
━━「自分の認知バイアスの傾向がわかるチャート」を作ってもらったが、これでどんなことがわかるのか? 「自分の行動や判断に影響を与える“物事の捉え方の偏り”がどんな場面で出やすいか、どんなものに影響を受けやすいかが分かる。そのため、『自分が投資するにあたって何に気を付けたらいいのか』がわかる」
「分類としてはタイプ1:マスメディアで得た情報がバイアスになるタイプはその名の通り。タイプ2:人から得た情報がバイアスになるタイプは例えば自分の信頼できる人、あるいはカリスマ投資家などの話をSNS等で聞いて影響を受けるとそれがバイアスになってしまう。タイプ4:バイアスと行動を切り離せるタイプは比較的他者の影響を受けにくく、偏った判断はしにくいと思われる」 ━━注意したほうがいいタイプは? 「タイプ3:バイアスが自分の中にあるタイプだ。自分の中で思い込みや偏ったものの見方みたいなものが固定化されている性格特性を持った人は、投資の判断をする時に、自分の中の偏りが知らず知らずのうちに影響してしまう可能性がある。特にお金の話はあまり周囲にシェアしないため、この傾向があらわれてしまう」 ━━チャート内には例えば「株で儲けて買い物がしたいか?」という問いがあるが、ここから何が分かるのか? 「『メンタルアカウンティング』と呼ばれるもので、投資で使うお金と生活に必要なお金を別の予算として分けて考えているか、ということ。この問いに『はい』と答えた(予算として分けていない)人は、株で負けた時に『生活に必要だからこれくらい稼がなくては』というような発想に陥り、冷静で合理的な判断が困難になりやすい」
━━「最高値更新という言葉に惹かれる」という問いからは何が分かるのか? 「『アンカリングバイアス』だ。アンカーは錨という意味だが、この問いに『はい』と答えた人は『最高値更新』というワードに引っ張られて、そこが基準になってしまう。そのため、『今の勢いだと最高値からもっと上がるかもしれない』、あるいは逆に『今最高値だからもう落ちるだけか』など狭い視野でしか考えられない。そうなると『実は他の先進諸外国は日本のバブル期後も右肩上がりで、日本は過去の数字に戻っただけ』などといった客観的な捉え方が出来にくくなってしまう」 (『ABEMAヒルズ』より)