今秋ドラ1位候補左腕が中1日で中継ぎ登板 2試合で178球投げた鉄腕のリカバリー法は「汗をかくこと」
◆関西学生野球春季リーグ戦 ▽第5節3回戦 関大2―1同大(7日・ほっともっとフィールド神戸) 今秋ドラフト1位候補で、関大の最速154キロ左腕・金丸夢斗(4年)が、今季2度目となる中1日でのリリーフ登板で、4回1安打無失点と好投した。5日の1回戦を含め、今節は178球を投げ抜き、チームは同大から勝ち点を奪取。23年秋の立命大3回戦から53イニング連続で自責0(失点1)とし、昨秋の関学大1回戦から続く連続無四球イニングを37、連続無失点を28イニングまで伸ばした。 * * * * * * * “鉄人”金丸が、勝利を呼び込んだ。9回2死、カウント1ボール2ストライク。この日最速の150キロの直球に、打者は全く動けなかった。「京大に負けて苦しいところから戦ってきて、首位の同大から勝ち点が取れてよかった」。1点差を守り抜き、チームをV争いに引き戻した。 5日の1回戦は、金丸が延長11回で137球を投げ、4安打無失点の力投も、チームは引き分け。6日の2回戦は勝利し、小田洋一監督(58)は「この一戦はどうしても勝ちたかった」と、予定通りの6回に、エース左腕の名前を主審に告げた。「スプリットが非常に落ちていたので、三振を取りに行くときはスプリットで組み立てた」と金丸。6回先頭から7回2死まで5者連続空振り三振を奪う圧巻の立ち上がりで、計8K、41球で試合を終わらせた。 ここまで全7試合のうち、5戦(先発3)計35イニングで、439球を投じた。中1日での登板は、4月22日の立命大戦に続き今季2度目。文字通りのフル回転だ。そんな鉄腕を支えるリカバリー法は「汗をかくこと」。食事やストレッチに加え、ランニングや温泉で汗を流すことも重視する。「だいぶ疲労は取れていて、多少は張っていたけど、いいくらいに力感なく投げられた」。試合後の取材も、疲労の色は見えなかった。 次節は同大に代わって首位に立った関学大との伝統の一戦“関関戦”。「春の関関戦はいい投球ができていない。ラストイヤー、しっかり抑えて、いい感じで甲子園で投げられたら」。29年ぶりの春の頂点へ、金丸が甲子園のマウンドに降り立つ。(瀬川 楓花) 巨人・岸スカウト「特に右打者の外角のストレートとスプリットが抜群で隙のない投球だった。春のリーグ戦での成長は、落ち球の完成度が高くなっていること」 日本ハム・大渕GM補佐兼スカウト部長「素晴らしいですね。京大戦の時よりコントロールも、落ちる変化球も精度が上がってるようで、今もギア上げたり下げたりちゃんとしてるし、非常に完成度が高くなっている様子が、この春だけでも感じる」
報知新聞社