好守連発のDeNA、ノーエラーでCS4連勝 リーグ最多96失策から1週間で改善
プロ野球セ・リーグ3位のDeNAが、クライマックスシリーズ（CS）ファイナルステージ（6試合制）でリーグ王者の巨人に2連勝を飾った。好調の打線に注目が集まるが、いい意味で予想を裏切っているのが守備の安定感だ。ペナントレースではリーグワーストの96失策だったが、阪神とのCSファーストステージから4試合連続でエラーなし。随所で好守が光っている。 ■好プレーで巨人食い止める 17日のCSファイナルステージ第2戦では、二塁の牧秀悟が好プレーでチームを救った。1―0の六回。巨人の先頭、丸佳浩の中前へ抜けそうな打球を逆シングルで捕球し、すばやく体をひねって一塁へジャンピングスロー。一度はセーフの判定となったが、三浦大輔監督のリクエストで覆った。 2－1の八回には三塁線に高く弾んだオコエ瑠偉の打球に宮崎敏郎が飛びつき、一塁へノーバウンド送球。抜ければ二塁打になりかねなかった打球を三ゴロとし、巨人の反撃を食い止めた。 ■短期決戦にシフトチェンジ シーズン中はまずい守備で流れを手放し、試合を落とすこともあったDeNA。田中浩康内野守備コーチは、CS進出決定後の1週間の準備期間が「大きかった」と話す。 3位を争った広島の敗戦でCS進出が決まった2日以降、チームは短期決戦を見据えた戦いにシフトチェンジ。12日のCSファーストステージ初戦を前に、リーグ戦で出たミスを検証した上で、田中コーチが中心となって「短期決戦ではこういうことは許されない」と改めて凡事徹底の重要性を説いた。さらに、「こういう判断ができたらスーパープレーにつながる。短期決戦はこういうふうに備えよう」と、米大リーグでの基本に忠実な中継プレーを映像で見せるなど、プラスのイメージも植え付けてきた。 二塁手で最多の18失策だった牧は、「浩康さんからは、ずっと『一つ一つのプレーを大切に』っていうのはシーズン通して言われてました。CSになったらより一層、緊張感とかもあるので、無理せず、自分のできるプレーをしていく、ということを内野手全員が心がけてやれてると思います」と手応えを口にする。 リーグ戦4試合を残してCS進出が決まり、主力を温存できたことも大きかった。主将として、打線の軸として重責を担ってきた牧は、「エラーは自分の実力不足ですけど、体の状態も含めて準備不足だったところもある。ミス一つで流れも変わってくるので、できることを確実にやっていきたい」と力を込める。
試合後、守備の集中力の高さを問われた三浦監督も「ここにきて、守れるようになってきましたね」と思わずニッコリ。「みんなが緊張感のある中で、思い切ってプレーしてくれる結果だと思います」とたたえた。今後も接戦は必至。重厚な打線が状態を維持しつつ、堅い守備を継続できれば、まだまだ快進撃は続くだろう。（川峯千尋）
