楽天退団 注目集める田中将大の「背水の陣」の行方 鍵を握る「復活ポイント」とは
楽天を電撃退団したレジェンド右腕・田中将大の去就が大きく注目を集めている。 田中は11月26日、楽天の本拠地の楽天モバイルパークで取材対応。球団フロントと行った契約更改交渉の内容を明かすとともに、球団からは自身が必要とされず、「居場所がない」と感じたと率直な感想を漏らした。 【動画】復活が待たれる「神の子」の快投 田中将大の変幻自在投球をチェック 節目の日米通算200勝まであと3勝、今後は移籍先をめぐっての動きとなるが、いばらの道も予想されている。 チームを日本一に導いた13年にはシーズン24勝無敗の金字塔を打ち立てた右腕もヤンキースから、日本球界に復帰後は苦戦が続いている。 特に今季は昨オフに行った右ひじ手術の影響から1軍登板は1試合のみ。9月28日に本拠地で行われたオリックス戦の登板内容も注目されている。 この試合、田中は初回二死一、二塁のピンチを迎えるも紅林弘太郎をスライダーで中飛に打ち取る。2回、3回は立ち直り、無安打で切り抜けるも、1点をリードした4回は先頭の森友哉にレフト線へ安打を許すなど、3連打を浴び無死満塁のピンチを招くと、セデーニョの犠飛で1点を奪われ、同点に。なおも一死二、三塁から渡部遼人にスクイズを決められ、逆転を許す。さらに若月健矢の適時打で一挙に3点を失った。 5回は一死後、太田椋に外角143キロ直球を捉えられ、6号ソロを許す。結局、この試合、田中は5回93球を投げ、6安打4失点、最速は147キロだった。 すでに田中は他球団でのプレーを目指し、トレーニングに励んでいるとされる中、果たして今季0勝に終わった右腕が再生を果たせるのかも、今後に向けては重要なポイントとなる。 そこで注目される指標の一つが直球の球威だ。田中の若いころといえば、150キロ超の直球と変化球のコンビネーションで打者をねじふせてきた。 ただ日本に帰国後は年齢も重ねたことで、変化球を中心に打たせて取る、軟投派にスタイルチェンジ。現在は手術の影響もあり、直球が140キロ後半にとどまっているが、少しでも球速をあげられれば、投球の幅も広がる。 お手本になるような、他球団の選手もいる。今季35歳シーズンで15勝をマーク、セ・リーグ最多勝に輝いた巨人の菅野智之といえば、近年はコンディション不良に苦しむ時期も長く、低迷が続いた。 しかし復活を果たした今季はもう1度身体を鍛え直し、キレを取り戻すと代名詞のスライダーとともに、直球に力強さが出てきたことで勝ち星を積み重ねたといわれる。 田中にもキャリアに応じた投球の引き出しがあり、軸となる直球の球威球速が戻れば、復活につながると期待されている。 果たして杜の都を離れる背番号18の新天地はどことなるのか。今後も去就が注目を集めそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]