乗合タクシーに可能性 根室で実証試験調査
公共交通不便地域の「足」の確保を目的に、北海道の根室市が昨年度実施したAIオンデマンド交通(予約運行型乗合タクシー)実証試験で、不便地域の昭和第三町会が町会員に同交通についての独自アンケートを行った。町会員利用者はわずか2・4%にとどまったものの「利用方法が分からない」「説明会を開催してほしい」といった声も多く、同町会でも「利用世帯が増える可能性がある」と分析している。 昭和第三町会(西館一会長、196世帯)の市街地に向かう際のバス停は、交通量の多い道道花咲港線を横断する必要がある。横断歩道は大きく迂回する必要があるため、道路横断の危険が伴う地域だ。 そのため、公共交通不便地域解消に向けたオンデマンド交通実証試験に大きな関心を寄せており、試験が終了した11月、全世帯(当時205世帯)にアンケートを行った。 結果は利用者こそ5人だったものの「利用したい」(28世帯)とする一方、「分からない」(50世帯)との答えが多かった。「利用方法が分からない」(21世帯)、「説明会を開催してほしい」「説明に来てほしい」という回答も28世帯あり、新しいシステムに対する戸惑いや認識不足が感じられる回答も。 西館会長は「アンケート結果から、利用方法の理解が進むにつれ利用世帯が増える可能性がある」と分析しており、根室市地域公共交通確保対策協議会(会長・竹本勝哉副市長)事務局の市でも「今年度の運行開始に向け、町会など交通不便地域に対する利用促進に向けた行動をしていきたい」としている。 同協議会は今年度、同実証試験を昨年度の2カ月間(10、11月)から、7月1日~来年3月31日までの9カ月間行うことを決めている。
釧路新聞