TBS・龍宝正峰社長がエンタメ分野の世界戦略計画を発表 米韓を拠点に「不退転の決意で挑戦」
TBSテレビの龍宝正峰社長が1日、東京都内で開催中の映画、テレビ番組、アニメーションなどの国際コンテンツマーケット「TIFFCOM2024」でエンターテインメント分野での世界戦略計画を発表した。 TBSグループでは21年に世界市場参入などを目的とした長期経営ビジョン「TBSグループ VISION2030」を発表。エンタメのコンテンツを多角的に収益化し、広告市況だけに依存しないビジネスモデルの構築を目指している。今年度はエンタメの世界市場をけん引する米国、K-POPや映画、ドラマなどの分野で成長する韓国に戦略的ビジネス拠点を構え、龍宝社長は「不退転の決意で挑戦する」と述べた。 同局のコンテンツでは視聴者参加型スポーツエンターテインメント番組「SASUKE」が165カ国・地域で放送され、アトラクションバラエティー「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」も人気。龍宝社長はコンテンツの制作力について「一定の力はあり、新旧人材の力を合わせて最強のチームを作って臨む」と強調した。資金面では新たに1600億円を用意。人材育成に加えて26年までに300人規模のキャリア採用も行う。 「SASUKE」をめぐっては当初、米国などでは「誰が勝つか分からないバラエティーは拍子抜けする可能性がある」などと疑問視されたが、スリリングな展開などで人気を獲得。出席した米国担当者は今後について「(SASUKEのような)台本のないエンタメフォーマットを開発する」と述べた。 韓国の担当者も同席し「日韓で得意なフォーマットは『恋愛もの』と『ダンス』。ドラマでは印象的なストーリーラインを作ることにたけている」と指摘。現在は恋愛リアリティーショーを共同開発中だという。一方、今年1月期の人気連続ドラマ「不適切にもほどがある!」の韓国版リメークも決まっており、今後3年で地上波ドラマ3作品、劇場用映画2作品の共同制作も予定。ドラマ第1弾は25年の地上波ゴールデンタイムでの放送を計画している。龍宝社長はグローバル展開で「時間軸や国境を超えて大きなビジネスにしたい」と抱負を述べた。 この日はTBSの日比麻音子アナウンサー(31)が司会を務め、日本語と流ちょうな英語で進行。TIFFCOMは開催中の第37回東京国際映画祭と併催で、「東京都立産業貿易センター浜松町館」を会場に11月1日まで開催される。