【独自】韓国食薬処、弾丸が出てきたコストコの米国産牛肉を全数回収検査
韓国の食品医薬品安全処は、韓国に輸入された米国最大の精肉・穀物企業カーギル(Cargill)の牛肉を回収し、全数検査にあたっている。コストコによって国内で販売されたカーギルの牛肉から散弾銃の鉛弾片が発見されたことを受け、遅ればせながら検査に乗り出したのだ。 1日、国会保健福祉委員会に所属する野党「共に民主党」のキム・ユン議員室によると、食薬処は先月9日、全国の地方食薬庁に対し、韓国に輸入されたカーギルの牛肉に対する全数回収検査を要請した。先月20日時点で京仁(キョンイン)食薬庁と釜山(プサン)食薬庁が31件を回収し、検査をおこなっている。食薬処の関係者はハンギョレに、「現在、流通・輸入の通関段階に対する検査を進めているが、まだ結果は取りまとめられていない」と説明した。 今回の全数検査は、7月にコストコ楊平(ヤンピョン)店で販売されたカーギルの牛肉から鉛弾片が発見されたことがハンギョレの報道で明らかになったことを受けての措置だ。発見された弾丸は米国の農場で鳥を追い払う際に使われる散弾銃の鉛弾で、米国産牛肉の輸入・流通過程で金属検出手続きが特になかったため、牛肉に埋まったまま韓国の消費者の食卓に上った。現行法上、金属検出過程は輸出国(このケースでは米国)に任せられており、食薬処、輸入業者、販売業者などに検出義務はない。 加えて、カーギルが2016年以降、8年間も韓国の食薬処の現地実態調査を受けていないことも明らかになった。キム・ユン議員室が食薬処から提出を受けた回答資料によると、食薬処は2016年にカーギルの現地事業所に対する点検をおこなっている。しかし、2020年はコロナ禍で点検は米国食品安全検査局(FSIS)が代行し、食薬処はその結果を書類で受け取ったのみだった。 食薬処は、弾丸の埋まっていた牛肉を韓国に輸入した販売業者A社に対し、畜産物衛生管理法に規定された加工基準と成分規格に違反したとみて、行政処分を準備している。だが、A社から仕入れた牛肉を特に金属検査することなしに小分けして販売したコストコに対しては、「異物混入の遮断および再発防止のために、自主的に安全管理を徹底するよう」求めるにとどまる。 食薬処の関係者はこれについて、「すべての行政処分には原因提供者を処分するという原則がある。問題の牛肉を小分けして販売しただけのコストコは処分対象ではない」と説明した。国会保健福祉委員会は先月30日の全体会議で、牛肉販売の経緯などを問うため、コストコ・コリアのチョ・ミンス代表を国政監査の証人に採択している。 キム・ユン議員は、「輸入食品に対する衛生評価検査を強化するとともに、大量に農畜産物を輸入して小分け販売する業者に対しても異物検査を義務付ける必要がある」と述べた。 イム・ジェウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )