神奈川20区落選の甘利明氏「すべて私の責任」国替え「当選13回の新人」どぶ板も及ばず
自民党前職の甘利明元幹事長(75)は神奈川20区で、立憲民主党新人の大塚小百合氏(44)に敗れ、落選した。小選挙区の区割り改定で新設された神奈川20区に「国替え」して挑んだ甘利氏。なじみの薄い有権者に顔を売り込むため、経済産業相や自民選対委員長などの要職を歴任した重鎮ながら「当選13回の新人」と称し、必死に地元を回る〝どぶ板選挙〟に徹したが、議席を失うことになり、「すべて私の責任。申し訳なく思う」と支援者に頭を下げた。報道陣からの質問には応じなかった。 27日夜、相模原市南区の甘利氏の事務所では、限られた支援者のみが開票の行方を見守った。午後10時過ぎ、立民大塚氏の当選確実が伝えられると、甘利氏は固い表情で姿を現し、「私の選挙史上でも、関係者全員が最も懸命にやってもらった選挙。これ以上できないというところまでやっていただき、感謝している」と声を絞り出した。 また、応援演説に駆けつけた小林鷹之元経済安全保障担当相らを念頭に「後輩の議員も大勢応援に駆けつけてくれたが、期待に応えられず申し訳ない」と述べた。 甘利氏は比例代表候補の「73歳定年制」に該当し、重複立候補しなかった。退路を断った戦いに敗れ、昭和58年の初出馬以来、初めて議席を失った。今後の政治活動については「冷静になって、そして関係者の皆さんとしっかり相談させていただき、今後判断していく」と言葉少なに語った。(山沢義徳)