【闘病】予定通りの手術後「まさか」の寝たきり 手のしびれは難病の始まりだった《後縦靭帯骨化症》
2度目の手術
編集部: 再手術? それはどういう目的で? tsukimiさん: 「尿閉」といって、自分で尿が出せなくなってしまう症状が続いたので、最初のA病院とは別のB病院で調べてもらった結果、「再手術が必要。最初の手術で取り切れなかった部分を切除する」と言われました。 同時に、切除した背骨を補強する目的で、インプラントを入れる手術も行いました。これが2020年1月のことですね。初回の手術が2018年9月だったので、1年4ヶ月が経っていました。 編集部: その後はどうなりましたか? tsukimiさん: そこからは比較的速かったと思います。手術の翌月にリハビリ病院に転院し、3ヶ月後には杖歩行が可能になったので、自宅に帰りました。 その後も外来通院していたのですが、インプラントでの固定箇所をもっと増やすということで、2022年の4月に3度目の手術をしました。前回は、頚椎という首の骨のみを固定したのですが、今回は胸椎、つまり胸の方まで固定しました。 編集部: 治療や闘病生活の中で、何か印象的なエピソードなどあれば教えてください。 tsukimiさん: 初回の手術後、体が動かなくなり、絶望もあったのですが、口は動くので、同じ病室の人たちや看護師さんとたくさんお喋りをしました。体は本当に辛かったけれど、そのときの何気ないやり取りが楽しかったです。 編集部: 病気の前後で変化したことを教えてください。 tsukimiさん: 「病気に重いも軽いもない!」と思うようになりました。 入院生活の中で「私なんてこんなにひどいんだよ」と、自分の病状が一番辛いと言い張る患者さんもいましたが、痛みは目に見えないからその人にしかわからないし、寝たきりでも、車椅子生活でも、歩けるようになっても悩みはあります。 車椅子の時は「若いのにかわいそう」と言われて嫌な思いをしましたし、杖で歩けるようになってからは「歩けていいね」なんて言われると腹立たしく感じました。 もちろん私自身も、「自分の辛さが理解してもらえない」と悩んでいた時期もあったのですが、「病気の辛さなんてその人にしかわからない」って思えるようになって心が軽くなりました。 あと、この病気になってなかったら、今の主人とは出会えてなかったと思います。