鈴木伸之「本当の親子みたいになれた」純粋な子役の演技に芽生えた正直な感情を明かす
スポーツ選手かと見紛う様な体躯と爽やかな笑顔が印象的な俳優・鈴木伸之さん。しかし、これまで彼が演じてきたのは印象とは真逆なクズ役も多く、それは過去のインタビューで本人も認めている。最近は、CMでお笑い芸人とコミカルな掛け合い(しかも役は織田信長!)を見せたり、ドラマ『ファースト・ペンギン』では”お助けマン“的な若手漁師役を演じるなど別な側面も見せ始めている。そんな鈴木さんにとってのCHANGEは……。【第3回/全3回】 ■【画像】鈴木伸之「本当の親子みたいになれた」子役の小山蒼海君との微笑ましい2ショット ドラマ『バントマン』は元スラッガーがバントの魅力に気付き、人間として成長する第2の人生をメインとして描くが、もう一つの柱として描かれているのは鈴木さん扮する大翔の一人息子・直斗との親子の関係。 「直斗を演じた小山蒼海君は可愛かったですね。まだ10歳ですけど、野球も一生懸命ですし、お芝居もしっかりセリフを覚えて、監督の指示もちゃんと受けていました。本当の親子みたいになれたと思いますし、時間があれば“キャッチボールやろう”って言ってくるんです。けっこう疲れましたけどね(笑)。 劇中で僕が彼の球をポンポン、ホームランで打ち返す……というシーンがあったのですが、この時、撮影前に僕のところに来て“俺、絶対打たれないから、ホームラン打たせないからね”って宣言したんですよ。でも、僕は台本通りにバンバン打ち返したんです。普通はちゃんとお芝居できて撮れたから嬉しく喜ぶじゃないですか。でもそうじゃなくて、僕に打たれたってのがすごく悔しかったんでしょうね。僕の方を恨めしそうな感じで見て、泣きそうになりながら、見に来ていたお母さんの所に戻って行ったんです。そんな姿が思わず可愛いなって(笑)。ほんとに野球が好きなんだってことが伝わってきましたね」
今回は主題歌『生涯HERO』も鈴木さんが歌っている。主題歌を担当するのは初めてだ。 「今回、楽曲を作って下さったHIPPYさんというアーティストの方も、台本を全部読んで下さって、そこから感じ取ったものを歌詞にして下さったんです。歌詞を読んだ時にドラマにピッタリだと感じたので、僕自身も役柄を引っ下げた感じで歌わせてもらいました。みんなそれぞれが人生のHEROだということをすごく強く歌っていて、人生の応援ソングだなって感じました」 ドラマ『ファースト・ペンギン』(日テレ系)で漁業の世界で苦労するヒロイン・和佳(奈緒)をフォローする若手漁師・一希役、『自転車屋の高橋くん』(テレビ東京系)ではアラサー女子・朋子(内田理央)に寄り添う世話好きな自転車店を営む遼平役といった”お助けマン”的なキャラも見る様になり、デビュー当時のクズとかワルといったキャラクターから脱皮しつつある。 「いただいた役を、坦々とこなす……与えられた課題をクリアして行けたら良いなって気持ちでいつも臨んでいます。良い役だとか悪い役だとかというのは“たまたまそういう役だった”という結果論のようなもので粛々とこなしているだけなんです。最近は、悪い役ばかりじゃなくて良かったなと思うこともありますけど(笑)」