【DeNA】度会隆輝が泣いた夜 1軍復帰即2点三塁打までの道のり
◆日本生命セ・パ交流戦 ロッテ0―4DeNA(11日・ZOZOマリン) やはり、並のルーキーではなかった。DeNA・度会隆輝外野手(21)が1軍復帰後初スイングで結果を残した。5月15日以来、約1か月ぶりに昇格し「9番・右翼」でスタメン出場。1点リードで迎えた2回無死二、三塁の第1打席。カウント1―1から、ロッテ・小島の高め直球を力強く振り切った。 快音を残した打球は右中間を深々と破る。二塁も蹴り、三塁へ気迫のヘッドスライディング。貴重な2点三塁打に、ベンチへ向け右腕、左腕を次々と突き上げた。5月6日のヤクルト戦(横浜)以来の安打に「角度もよかったし、当たるところもよかった。先輩たちが盛り上げてくれたのでその流れに乗って」と興奮気味にまくし立てた。 元気印が強さを増して戻ってきた。開幕戦から2戦連発をマークするなど華々しいプロデビューを決めたが、4月中旬以降、打撃不振に陥った。5月8日のヤクルト戦(横浜)では2点ビハインドの6回1死満塁で落球し、適時失策を記録。出番のなかった同15日の巨人戦(福井)後に初の2軍行きを命じられると悔しさのあまり涙もこぼした。 降格後、打撃だけでなく守備も含め、一から見直す覚悟で再出発を切った。同期のドラフト6位・井上が1軍昇格した際には電話をかけ、打撃について談議したことも。守備ではグラブの芯で捕ること、確実に落下地点に入ることを意識するため、小池外野守備コーチの発案で内野手用よりもさらに小さいグラブで練習を続けた。風の強いZOZOマリンでも難なく守備をこなした。 チームは連勝で、4位・中日と0・5ゲーム差に迫った。ファームでの1か月を経て、改めて1軍にいられることの特別さを痛感した。「お客さんの量も雰囲気も全部違う。1軍の環境のありがたさもわかったし、もっとこういう舞台でプレーしたいと思った。もっとDeNAに貢献したい」と日に焼けた顔をほころばせた。ハマの一番星には、やはり涙よりとびっきりの笑顔が似合う。(内藤 菜月)
報知新聞社