長谷部誠「ドイツ語だけで引退会見」の覚悟 セカンドキャリアは「ブンデスリーガ監督」への挑戦
【長谷部が歩んだドイツでの17シーズン】 もしかすると長谷部の頭のなかでは、監督業に移行して勝負するには早いほうがいい、という判断もあったかもしれない。現在40歳。コーチングライセンス取得後にプロを指導するにも、まだ時間はかかる。また、昨今の監督の低年齢化を考えても、のんびりはしていられない。 ドイツでの17シーズンを振り返ると、さまざまなことがあった。 ヴォルフスブルク時代にプレミアリーグ移籍を希望したが叶わず、フェリックス・マガト監督に森の中を何十キロも走らされていたこと。退場者が出た際にマガトからの指令でGKを務めたこと。フランクフルトで毎年レギュラーを取り返したこと。気温35度のセビージャで21時から開始されたEL決勝を制し、ミックスゾーンに来た時にはすっかりくたびれていたこと......。 思い返すことは山ほどある。 しかし、監督として勝負する長谷部の姿も見てみたい。そう切り替えて、この一抹の寂しさを乗り越えることにしたい。
了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko