「電車内に有害液体」想定 JR西や県警が訓練で連携確認【宇部】
慶進高生が乗客役で協力
JR宇部新川駅で21日、有害な液体がまかれて負傷者が出たという事案への対応訓練が行われた。JR西日本、宇部警察署、県警機動隊、中国四国管区警察局県機動通信課などから合わせて106人が参加し、避難誘導、液体処理などの訓練を通じて連携を確認し、有事に備えた。 化学物質などによる特殊事案を想定した訓練の実施は市内で初めて。通勤・通学時間帯に1番ホームに停車中の列車内で不審な液体が散布され、2人が動けなくなったという想定で、慶進高の1年生67人が乗客役として協力した。 高校生3人が駅員に液体がまかれたことを伝えると、駅員は警察と連携して避難誘導や立ち入り規制に当たり、動けなくなった2人は機動隊によって素早く運び出された。その後、防護衣を着た機動隊が液体の検知と除染作業を行った。 同署警備課の永山彩係長は「高校生は真剣に行動してくれた。対処能力の向上につながれば」と期待。椎木祥子管理駅長は「新入社員には貴重な経験となった。これからも利用者の安全を第一に考えていきたい」と話した。 通報役を担当した同校の休堂颯真君は「とっさの判断が求められると感じた。もし同じような事案が発生した場合は率先して動きたい」と力強かった。