予算委採決で4市議が退席 さいたま市議会 元市職員による市有地不正売却問題で「調査が不十分」 補正予算案は可決
埼玉県のさいたま市議会9月定例会予算委員会が20日開かれ、元市職員による市有地不正売却に関する土地返還代と和解金などを盛り込んだ2024年度一般会計補正予算案を賛成多数で可決した。ただ、不正売却問題について明確な動機が解明できておらず調査が不十分として、委員の市議4人が採決時に退席した。 4月に発覚し、5月に会見したさいたま市 「極めてまれなケース」【写真1枚】
賛成討論では「今回の補正予算案は土地代金返還を受けるために必要で妥当」「全力で信頼回復に努めることを強く要望する」と訴えた。その後の採決では立憲民主・無所属の会4人、公明3人、さいたま自民1人、自民さいたま3人、維新1人、無所属1人が賛成し、共産2人が反対。金井康博、渋谷佳孝(以上さいたま自民)、堀川友良(維新)、小柳嘉文(無所属みらい)の4市議が退席した。 退席した市議は取材に、補正予算案には反対ではないとした上で「調査が不十分で事件が発生した原因が分からないと再発防止もできない。市民に説明できる調査ができないので、第三者委員会を設置し外部の目から原因の追及を」と主張。別の退席した市議も「市民がこのプロセスと結果にどれだけ信頼を持てるのか。そこが不十分」と語った。 市は再発防止策の策定に向け、調査検討会議のメンバーに公認会計士と弁護士の計2人の外部有識者を交えて、意見を聞いている。
清水勇人市長は20日の定例会見で第三者委を設置しなかったことに関し、警察が捜査中である点などを挙げ「スピード感を持って、第三者の目が入る形で進めている」と説明。元職員が「区画整理事業を早く進めたかった」とする動機に「釈然としない思いがあり理解しにくいが、現状これ以上の話は出てこなかった。捜査権のある司法に解明してもらう必要があるのでは」と述べた。