26歳でプロ入りの遅咲きで覚醒 巨人の「新人王の有力候補」は
優勝すればさらに上がる価値
縁の下の力持ちとして救援陣を支えている右腕は27歳。チームメートの岡本和真、岸田行倫と同学年だが、新人王の資格を持っている。26歳でプロ入りした1年目の昨季は36試合登板で3勝1敗8ホールド、防御率2.70。投球回数が30イニングで、新人王の資格を持ったまま2年目を迎えた。 セ・リーグの新人王の有力候補と見られたチームメートのドラフト1位右腕・西舘勇陽、DeNAのドラフト1位・度会隆輝は一軍に定着できていない。昨年はケガで一軍出場なしに終わった2年目の田中幹也(中日)が頭角を現し、108試合出場で打率.218、2本塁打、22打点、4盗塁をマーク。3年目の黒原拓未(広島)は51試合登板で4勝3敗3ホールド、防御率1.73と奮闘しているが、船迫の活躍の方がインパクトが強い。リーグ優勝すれば、その働きぶりはさらに価値が上がるだろう。 過去にもプロ2年目以降のリリーバーが新人王を受賞したケースがある。2020年に高卒3年目の平良海馬(西武)がシーズン最多の54試合登板し、1勝0敗1セーブ33ホールド、防御率1.87でタイトルを獲得。22年もプロ2年目の水上由伸(西武)が60試合登板で4勝4敗1セーブ31ホールド、防御率1.77で、パ・リーグ史上初となる育成出身の新人王に選出された。 新人王、リーグ優勝が見えてきたが、CS、日本シリーズとまだまだ戦いは続く。船迫はドラフト指名時に「ふなばさま」という珍しい読み方が話題になり、本人も「初見で自分の名前を言える人はいない」と苦笑いしていたが、知名度が大きく上がった現在は違う。愛称は「バサマ」。球界を代表するリリーバーに成長する姿が楽しみだ。 写真=BBM
週刊ベースボール