「別荘所有者の納税は年5500円!?」 ぶっちゃけ山中湖で別荘生活をするとどれくらいのお金がかかるのか? デュアルライフのお財布事情
山の家のスローバラード #1
東京で生まれ育ち、働き、家族をつくってきた筆者は、なぜデュアルライフ(二拠点生活)を始めたのか。 【画像】最強の“ウェルカムカード”の発行方法
東京と山中湖を行き来しながら暮らす日々を軽快に綴った『山の家のスローバラード 東京⇔山中湖行ったり来たりのデュアルライフ』(百年舎)より、一部抜粋、再構成してお届けする。
別荘所有者の納税は年5500円!?
デュアルライフをする場合、税金とか行政手続きってどうなるの? という疑問を持っている方も多いようです。僕はそういうちゃんとした話が苦手な根っからのボンクラサブカルオヤジなのですが、自分の頭を整理するためにも今回ばかりは少し真面目に話をしようと思います。 まず根本的なこととして、日本の法律では、住民登録って一人一箇所しかおこなえないんですって。そんなベーシックなことすらよく知らなかったので、デュアルライフのスタート時に、僕はこっちにも住民登録的なものが必要なのかと思い、勢いよく村役場に駆け込みました。すると役場の人は(はいはい、また間抜けが来ましたよ)とでも思ったのか、子供に教えるように優しくレクチャーしてくれました。 いくら山の家を持っていても僕の場合、ベースは東京なので住民登録は世田谷区のみ。山中湖村に住民票はありません。当然、基本的な納税先も選挙の投票も、東京都&世田谷区。そして、東京都&世田谷区から各種行政サービスを受けています。 でも山の家がある山梨県・山中湖村に対しても、納税義務があります。まず家・土地の評価額に応じて県に収める固定資産税。これはまあ、仕方ありませんね。 他にもあります。村内に別荘がある個人は住民登録をしていなくても〝家屋敷課税〟の対象となり、村県民税の均等割分を収めなければならないのです。「ほら! やっぱデュアルライフってコスパ悪!」と思うかもしれません。でも、落ち着いてください。よく考えたら、これは当然なのです。だって山の家で暮らしている間は、デュアルライフ民といえども上水道の使用や、ごみの回収・処理をはじめとする様々な行政サービスを自治体から受けるわけですから。 山梨県・山中湖村の場合、別荘所有者の村県民税額は、定額で年5500円(村3500円・県2000円の割合)。安いと思いません? 東京で払っている住民税と比べたら、タダみたいなもんです。これすらも〝ダブルで納税するなんてもったいない〟と思うようなら、そもそもデュアルライフには向いていないのかもしれません。僕は「ナイスコスパ!」と拍手したくなりました。 季節が真冬になると、都会にはない行政サービスで、激しいありがたみを感じることもあります。それは除雪。年によって差はありますが、寒冷地の山中湖村は雪が深く降り積もることがあります。 でも我が家の前の細い道路を含め、村内の道が雪で埋まって通行不可能になることはまずありません。冬になると道路の要所要所にはあらかじめ、積雪と凍結を防止する融雪剤がまかれているし、少しでも積もったらすぐに村が除雪車を出し、こまめに雪を取り除いてくれるからです。雪の日に除雪車とすれ違うと、感謝の気持ちでいっぱいになります。「5500円しか払ってないオミソですみません」と思いながら。