SG「第39回グランプリ」最終日・住之江ボート 毒島誠、悲願のGP初Vは結婚記念日&愛妻の誕生日「いい誕生日プレゼント」
◇22日 SG「第39回グランプリ」最終日(大阪府・住之江ボート) 最終日の12Rで優勝戦が行われ、1号艇の毒島誠(40)=群馬=が、インからコンマ19のSで逃げを決め、大会7度目のファイナル進出で悲願の初制覇、SGは3月・クラシック以来となる通算9回目の優勝。賞金1億1000万円を獲得して今年の獲得賞金は2億4636万3033円となり、初の賞金王に輝いた。この優勝で5大SGタイトルのグランデ5も、オールスターを残すだけとなった。 グランプリの重圧か、突然の横風の影響か。それでも、赤城おろしに育てられた毒島は慌てなかった。ハンドルを切り直して1Mを先マイすると、懐に迫る桐生の差しを強烈な伸び足で振り切り、勝負を決めた。 「仕上がりが良かったのでいつものSGの1号艇よりは緊張しなかった。でも1マーク切り直したので緊張してたんでしょうね」 ゴール後に何度も拳を突き上げた。夢にまで見た悲願のグランプリ初制覇だ。 「この2、3年の中ではリズム的には一番いい」と、早い段階からこの頂上決戦を意識しながら戦ってきた。9月からは冬場の住之江水面を見据えたプロペラをイメージ。同時進行で減量にも取り組むなど、心身とも万全の状態で住之江に乗り込んだ。 引き当てた32号機とペラとの相性も良く、前検から強い手応えを感じた。万全の準備、理想的な展開。そして手にした頂上決戦の絶好枠。思い描いていたイメージ通りの光景が、まさに目の前にあった。残されたのは最も単純にして最も難解な作業。迫る重圧をはね返し、1Mを先に回る。ただそれだけだった。 群馬県・桐生育ちで自他ともに認める「ナイターキング」。SG8冠のうち、ナイターは6つを数えていたが、グランプリでは過去10回で一度も優勝がなかった。SG9冠目は「11度目の正直」となるグランプリ制覇。届きそうで届かなかった。そんな苦悩の日々にこの夜、声高らかに別れを告げた。 生涯忘れ得ぬ12月22日はくしくも結婚記念日。そして愛妻の誕生日でもある。 「いつも支えてもらっています。感謝しているし、いい誕生日プレゼントになりました」 ついに手にした黄金のヘルメット。さぁ帰ろう。地元群馬へ。愛する家族が待っている。母なる赤城の山が待っている。
中日スポーツ