「運が悪い」と思う人が簡単に運気を上げるコツ 脳は簡単に自分の言葉やアクションに騙される
たとえば、胃が痛いときに、単なる栄養剤でも、胃薬だと信じて飲めば、胃痛が治るということ。 もちろん、よくないことを信じても悪い結果しか出ないので、対象は「すべて」ではなく、その度合も「絶対」ではありませんが、よいと信じて取り組むと、よい結果が得られる確率が上がるのです。 ちなみに、プラセボ効果の反対で、薬の効果などを疑っていると、効果が減ってしまう「ノーシーボ効果」という現象まであります(ウォルター・P・ケネディーの研究[3]によって世に出た概念です)。
なので、よい結果が出るかはわからないけど、悪い結果にはならなさそうな取り組みなら、基本的には信じるに越したことはないのです。脳は、意外に単純で騙されやすいものですから。 ラッキーボールの例も、「自分が持っているのはラッキーボールだ!」と思い込むことで、カップイン率つまり、よい結果の確率が上がるという実例なのです。 ■「自分は不幸だ」と思うと、幸運を見逃してしまう 幸運の学術的研究に関する第一人者と称されるハートフォードシャー大学のリチャード・ワイズマンは、「いわしの頭も信心から(信仰心が深いと、いわしの頭すら尊く思えてしまうこと)」は効果的な考えだと言います。
ワイズマンは、根本的に超常現象を否定する立場の研究者として、幸運と不運について客観的データと手法に基づいた、さまざまな実験や調査を科学的に行っています。 たとえば、ワイズマンが行った「人々は運の原因をほとんど洞察していないが、彼らの思考と行動が幸運と不運の大部分を担っていること」を明らかにした、こんな実験があります[4]。 ワイズマンは、自分を幸運と思う人と、不運と思う人を集め、両方に新聞を渡し、その中に写真が何枚あるかを探させました。
その新聞には、ページの半分を占めるスペースに、長さ5センチを超える大きな活字で、「これを見たと実験者に言えば250ドル(=約3万8000円)もらえる」というメッセージが書かれています。 要するに、ポイントは写真ではなかったのです。 結果、自称不運の人たちは写真を数えるあまりにこのメッセージを見逃す一方、自称幸運な人たちはメッセージを見つけて、予想していなかったラッキーな収入を得る傾向があったのです。