「性行為中の死亡率」高いのは “30代男性”の意外… 本当の”危険な情事”が起こり得る理由を法医学者が解説
女性は”年の差情事”で多いのは50・60代
一方女性の場合は、50・60代が多い。自分の体力に合わない若い男と情交した場合に多いようだ。 年齢差においては高齢の男性にも危険があるといえる。統計的にも、若い愛人との関係や若い後妻を迎えた場合など、年齢差が大きいほど要注意だ。 また、年齢に関係なく、長い間、性行為のなかった夫婦間で久しぶりに激しい行為に及んだときも油断ならない。 ただし、基本的に腹上死は誰もがなるというものではない。健康な若者がどんなに激しく過激な行為をしても死ぬことはない。
危ないのは、潜在的疾患を持つ人
怖いのは、自分でも気づかない潜在的疾患を持っている人だ。動脈硬化、脳動脈瘤、心肥大、高血圧、副腎皮質菲薄、胸腺残存などの病変が発症のもととなる。 糖尿病を持っていて、ふだんから血圧が高く、常に薬を服用しているような人も心筋梗塞を起こしやすいので注意が必要だ。 結論としては、腹上死はセックスをしたから起こる、というものではない。ふだんの日常生活において運動中に急死したり、駆け込み乗車した直後に急死したりするのと同じようなものなのである。だから、一番の予防法としては自分の潜在的疾患をしっかりと把握しておくことだ。
上野正彦