ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）が１２日（現地時間）、共和党の副大統領候補Ｊ・Ｄ・バンス上院議員へのインタビューを公開した。ドナルド・トランプ候補が選択したランニングメイトのバンス氏は「子どもを産まずに猫を飼う女性はソシオパス」などの発言で物議をかもした。このインタビューは実現自体が話題になった。ＮＹＴが民主党のカマラ・ハリス候補を公開的に支持するからだ。約１時間のインタビューをＮＹＴは収録形態で掲載した。編集もなくそのまま伝えるためだ。 バンス氏は「ＮＹＴの読者、中道左派の人たちはおそらく私に反対する人たちが主張することばかりを聞いたはず」とし「２時間のインタビューでも、私が述べた最も論争的な４５秒の部分だけが話題になる」と主張した。バンス氏はインタビューで「私の夢は良い夫になること」「私に対する誤解が多い」という抗弁もした。ホワイトハウスの新しい主は約３週後の来月５日に決まる。 Ｊ・Ｄ・バンス氏はかつてトランプ候補を「米国のヒトラー」と批判した。ＮＹＴがこれについて質問すると、バンス氏は「過去にアンチ－トランプだった時期があり、今は彼の副大統領候補であるのは事実」とし「しかし２時間のポッドキャストインタビューの全体を見れば（私の立場の変化は）驚くことでない」と主張した。 ＮＹＴがまた「何のために考えが変わったのか」と尋ねると、バンス氏は「トランプ氏が当選してから（彼に対して）かなり楽観的な考えを持つことになり、彼の当選直前に本が突然よく売れた」と答えた。バンス氏の著書『ヒルビリー・エレジー』のことだ。著書に関する話を突然した理由は、当時バンス氏が本に関連するインタビューを数多くし、大統領選挙の時期だったためトランプ氏に関連する話をよくしたからだ。 『ヒルビリー・エレジー』は米国の白人中産層の崩壊を描いた小説だ。アルコール中毒者だった母の下でモーテルを転々としながら暮らした過去が土台となった。この小説は２０１６年の大統領選挙当時、トランプ氏の勝利を説明する根拠としてよく言及された。崩れた白人中産層の票が「米国をまた偉大に」を掲げたトランプ氏に傾いたということだ。 最近のバンス氏の発言「子どもを産まずに猫も飼う女性はソシオパス」についてＮＹＴが質問すると、バンス氏は「私がそのように話したのは事実であり、愚かな発言だった」とし「ほとんどの人たちは愚かな発言をした後『そのように話すべきではなかった』と考えるのではないか」と答えた。しかしＮＹＴが「他の場所でも同じ話を繰り返した」と指摘すると、バンス氏は「とても短い期間に限ってそうだった」と抗弁した。 続いて「私が話そうとしたのは、わが国がほとんど病的に子どもを産むことに反対する（ａｎｔｉ－ｃｈｉｌｄ）性向に変わったというのが深刻な問題ということ」と説明した。続いて「気候変動のために子どもを産んではいけないという主張をするのは正常でない発想」と話した。 ＮＹＴが「だからといってソシオパスなのか」と反問すると、バンス氏は「本当に奇怪な発想ではないか」と答えた。ＮＹＴがハリス氏について尋ねると、バンス氏は「ハリス氏本人が『気候変動のために子どもを産んではいけない』と話したのではない」としながらも「しかしいくつかのインタビューを見ると、ハリス氏はそのような発想が穏当だというように話している」と主張した。 インタビューの緊張感はＮＹＴが２０２０年の大統領選挙について尋ねながらピークに達した。トランプ氏が敗北を承服しないことに対し、ＮＹＴは「トランプ氏が２０２０年の大統領選挙で敗れたと考えるか」と尋ねた。バンス氏は即答を避け、「私とトランプ氏は２０２０年の選挙に対していくつかイシューを提起した」と話した。ＮＹＴがまた同じ質問をすると、バンス氏は「私も質問をしよう」とし「（バイデン大統領の息子）ハンター・バイデン氏のノートブックをＩＴ大企業が検閲したという件のためトランプ氏が数百万票を失ったということはどう見るのか」と返した。 ＮＹＴがまた同じ質問を繰り返すと、バンス氏は「私の質問に答えれば私も答える」と返した。またＮＹＴが同じ質問をし、バンス氏は即答を避けながら「ＩＴ企業が選挙に影響を与えるといういくつかの研究結果がある」という話を繰り返した。ＮＹＴが「結局、認めないということではないのか」とし「今回の大統領選挙の結果は受け入れるだろうか」と尋ねると、「もちろん平和的な政権の移譲は重要だが、少しでもイシューがあれば票の再集計も辞さない」と話した。バンス氏の最後の言葉は「トランプ氏が次期大統領になるという確信がある」だった。