備えの基本を押さえて防災力アップを目指す「備えのツボ」。今回は、７９年前に発生した南海トラフ巨大地震についてです。 （防災士小林宏典） 「津波によって破壊された村、７９年前のきょう（１２月７日）の出来事です。ここから見えてくる備えがあります」 ■過去の大地震に学ぶ 昭和東南海地震は７９年前の１２月７日に発生。マグニチュードは７．９、東海から近畿にかけて震度５から６の揺れがあったほか、発生１５分後には高さ９メートルの津波が押し寄せ、１２３３人が死亡しました。 ■被害軽減のヒント 昭和東南海地震の教訓は、次の南海トラフ地震で被害を軽くするための対策に生かされています。 南海トラフ地震発生の可能性が高まった際、政府は臨時情報を出し、津波からの事前避難を呼びかけます。これは、広い震源域の片方のエリアで大地震が起きたケースを想定した対応です。 周期的に起きる南海トラフ地震で、ここ２回は震源域の東と西で、時間差で大地震が発生しました。昭和東南海地震の際はその２年後に西側で昭和南海地震が起き、岡山、香川でもそれぞれ５２人が死亡しました。 時間差の幅は予測できませんが、起きることを前提に備蓄や避難先の確保など被害軽減への備えを進めることができます。 そこで押さえてほしい備えのツボはこちら。 南海トラフ巨大地震は東西、時間差で起きる可能性がある、７９年前の大地震は被害軽減のヒントを示しています。