90代でマラソンやゴルフ⁉...「がん治療も大幅に進む」到来する「人生100年時代」に待ち受ける「衝撃すぎる」未来
人生100年時代はすでに現実に
谷川 「老化の研究」が進んだ場合、健康寿命はどれくらいまで延びるんでしょうか。 山中 健康寿命と平均寿命の差を減らせるよう研究を進めていますが、医学研究はストップがかからないので、お話しした一番目のアプローチも二番目のアプローチも間違いなく進んでいきます。がん治療も10年前と比べると大きく進展しているし、今後もさらに進むでしょう。そうすると、健康寿命は間違いなく延びていくと思います。 統計によると、100歳以上の高齢者の数は30年前に比べると50倍に増えています。いま生まれる子どもが100歳まで生きる可能性はかなり高い。これから100歳以上生きる方がずいぶん多くなると思います。 ということは、90歳を超えても健康な方が増えるということです。いまも80代でお元気な方がたくさんおられますけども、90代でも将棋会館での対局はもちろん、マラソン大会やゴルフ場で元気に走ったり歩いたりしておられる風景が普通になるんじゃないかなと思います。 谷川 「人生100年時代」が到来すると、私たちはあと40年近く生きることになりますね。 山中 わりと長いですね。僕も入れていただいている日本学士院という研究者の会があって、そこは少し前までは80歳のお祝いをしていたんですけど、いまもうそんなことをしていたらほぼ全員を祝うことになるので、90歳のお祝いに変わりました。それでもたくさんの方がいらっしゃいますよ。
山中 伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長)/谷川 浩司(棋士)