台風10号の影響で土砂が流入した火葬場＝31日午前、熱海市

　台風10号の接近に伴う大雨の影響で31日までに、熱海市火葬場（同市熱海）に大量の土砂が流れ込む被害が出た。火葬炉3基を含む複数の設備が浸水し、火葬の受け入れが不可能になった。復旧や再開のめどは立っていない。けが人はいなかった。市や熱海署が被災状況を確認するとともに、原因を調べている。

火葬炉などの設備が浸水した現場＝31日午前、熱海市

　市によると、火葬業務の委託事業者が30日午後5時15分ごろ、施設内への土砂流入を確認し、避難した。市職員が現場を調べたところ、1階部分の告別ホールや収骨室などに高さ1・2～1・5メートルの泥水状の土砂が堆積していた。土砂は施設裏の山間部から流れ込んだとみられ、施設前にある駐車場にも広がった。

火葬場に押し寄せた土砂や木々＝31日午前、熱海市（市提供）

　熱海市火葬場は伊豆スカイライン熱海峠インターチェンジ（IC）近くの山間部に立地し、年間で約800件の火葬業務を行っている。市は静岡県広域火葬業務の枠組みに基づき、県と調整した上で近隣自治体の三島、函南、伊東の3市町に火葬業務の対応を要請するという。