「ほんまに赤字経営ですわ」笑い飯・哲夫がそれでも格安塾を続ける理由。“子育て中のイライラ”対処法も伝授
今の大人は子どもから「危険」を奪いすぎる
――今の日本の教育は、大人が子どもから「危険」を奪いすぎている感さえあります。だから、「論破しようとする息子が心配」という親の相談に、「ヤンキーにしばいてもらう」という哲夫さんならではの教育論が多くの人の心に刺さるのでしょう。 哲夫:危険を奪うと、子どもの冒険心は育ちません。僕はそうした危険や冒険心を堪能できるユル~い時代に、子ども時代を過ごした(笑)。例えば、今、未成年がタバコを買おうとしても年齢確認を求められるし、かなり難しい。でも、昔は中学生が「親に頼まれた」と言えば簡単に手に入れられた。 でも、体がニコチンを欲してタバコを吸いたい中学生なんていませんよ。単に大人ぶったり、背伸びしたいだけ。昔は、中学生くらいから火遊びができたように、背伸びをしてもいいモラトリアム期間を社会が許していたので、子どもは危険な思いをする一方で、冒険心を発揮できました。 ――中学生の哲夫少年は、どんな危険な目に遭ったのですか? 哲夫:僕の祖父は二人称に基本「ワレ」を使う人で、僕に対しても「ワレ、まだ寝とんのか」とか普通に話していたんです。そんな影響もあったのでしょう。中学生のときに地元のヤンキーに普通に「ワレ」と言って、「誰に向かって口利いとんのや!」と凄まれたり(苦笑)。 社会の仕組みを、子どもは言葉を通して覚えていくもの。まぁ、僕らの時代はそもそもヤンキーが多すぎたというのもありますが(笑)。今の子どもは電車に乗っていても、当時のヤンキーとは雲泥の差で真面目。もうちょっと暴れん坊でもいいかな、とは思います。たまに、そういう力があり余っている子を見ると、微笑ましくなっちゃいますね(笑)。 ――近年、不登校が増加していますが、学校に行きたくないなら、無理して行かなくていいという考え方が主流です。 哲夫:授業とは子どもにとって忍耐の場で、苦行でしかない。でも、それを経験したから忍耐強くなれる。ところが、今の学校はまるで“おもてなし教育”。僕が小中学生の頃、授業は屁との闘いでした(苦笑)。屁をこきたいならご自由に、では修行になりません。みんな我慢してんねん、僕だけラクしたらあかん、って耐えてました。一人だけラクさせたらあかんということ。 それでも、どうしても学校に行きたくない子は行かなくてもいいけど、何もしなくていいのとは違います。学校に行けば授業という名の修行が待っている。行かないなら家で何の修行をするんだ?ということです。