ここだけすごい和テイストだ…『アサシン クリード シャドウズ』会場プレゼン―「ゲームの没入感」を高めるために取り入れられた新技術とは?
ドイツで8月21日から24日にかけて開催された大型ゲームイベント「gamescom 2024」。本記事では、ユービーアイソフトが手掛けるシリーズ最新作『アサシン クリード シャドウズ』の会場プレゼンの様子をお届けします。 【画像全6枚+映像1本】 欧州最大のゲームイベント「gamescom 2024」関連記事をチェック!全体的に赤を基調とし、「日本」をテーマにしたと思われる会場に案内されたメディア御一行。おかしい、私はドイツにいるはずなのに会場のここだけすんごい和なテイストだ……なぜか鏡開き用の樽酒も置いてある……なんで? そんな疑問が脳裏をよぎりますが、ともあれプレゼンが始まります。 プレゼンの主な内容としては、今回『アサシン クリード シャドウズ』に導入された新しい技術の紹介が中心であり、「ゲームの没入感」を高めるために取り入れた各要素について触れられました。 まずはマップに配置されているオブジェクトについて。今作ではより多くのものが「破壊可能」な対象となったそうです。戦闘中にプレイヤーの剣先が茂みや壺、鎧、布といったオブジェクトに触れると、攻撃の動きに対応した形で、オブジェクトが傷がついたり破壊されたりします。具体的には、米俵が破壊されると米が零れ出たり、果物が衝撃で真っ二つに割れたり……などなど。自分の操作がゲーム世界に影響を与えるという意味において、没入感を高めてくれる演出と言えましょう。 またグラフィック面については特に力が入れられており、というか今回のプレゼンにおいてほぼ主役とも言えるレベルで説明が行われた部分でした。本作ではデフォルトでRTGI(レイトレーシング グローバル イルミネーション)が導入され、第2世代のAnvil Engineのパフォーマンスと組み合わさることでさらに画質のクオリティが向上したとのこと。 このおかげで、ゲームをプレイ中はどんなシーンにおいてもリアルタイムな光の反射を再現できるようになったそうです。光まわりの設計は洗練されており、後述の昼夜といった時間に天気の影響も加わることで、ミッションの攻略方法もプレイヤー毎に異なってきます。 さらにグラフィックまわりは、何千にも及ぶ動的なオブジェクトの導入、「植生」レベルにまで突き詰めたディティールといった、微に入り細を穿つようにこだわり続けたおかげで、ゲーム世界の密度がぐっと高まったそうです。 ちなみに本作には「天気」の概念とそれに伴う技術も導入されています。これは悪天候になると、ただ単に雨がそれっぽく見えるように描画される……といったものではなく、プログラム的なアプローチを通じてゲーム世界に影響を及ぼすシステムとして組み込まれています。 実際に映像でも流れたのですが、「ダイナミックウィンド」と「スプリングシステム」という機能は凄まじく、風それ自体だけでなく、風に影響を受ける周囲の環境およびオブジェクトに至るまで「動き」が生じるようシミュレーションされていました。 例えば、風に揺れる木の枝葉や、雨が降ることで地面に生じる水たまりなどですね。竜巻も存在し、ひとたび発生すれば、様々なものを巻き上げ空へ飛ばしてしまいます。また雨は、特に夜間における活動では視界にも大きな影響を与えます。 そのためプレイヤーは雨宿りができる場所を探すなどして、より踏み込んだ行動の選択をすることに。こういったアプローチは今までになく、『アサシン クリード』シリーズにとって非常に重要な要素と言えましょう。 さて、そんな本作は関西が舞台となっていますが、構成する自然環境のモチーフとして今回選ばれたのは日本の九州地方でした。プレイヤーが神社、城、洞窟、山々といったエリアを探検し、四季折々の変化を過不足なく体験できる規模という部分で最適な場所だった、とのこと。 そんな四季について。時間経過で季節が変化することで、その環境に存在する動物だけでなく植物も気象の影響を受けます。もちろんそれだけでなく、太陽光の差し方まで変化するため、「冬の朝に感じられるキンと張り詰めた空気感」までも再現できるようになっているそうです。 また天気の再現には雲の存在も欠かせません。「ボリュームトリック」と呼ばれるシステムを用いることで、大規模で完全に動的な気象シミュレーションを可能にし、地表にリアルな影を落とす雲と、自然な降水のパターンを作り出します。このおかげでゲーム内における天気は、荒天から晴天に至るまで常にシームレスに変化するようになりました。 技術的にも気合の入った『アサシン クリード シャドウズ』は、PS5/Xbox Series X|S/Windows(Ubisoft Store、Epic Games Store)/Mac(App Store)向けに11月15日に発売予定です。 今年も賑わいを見せた「gamescom 2024」、Game*Sparkでは引き続きインタビューやハンズオンプレイレポなど様々な記事を掲載予定です。 欧州最大のゲームイベント「gamescom 2024」関連記事をチェック!
Game*Spark 麦秋