茅野市国際スケートセンターの存続を願い、オンライン署名の活動を始めた高校生有志のグループ「茅野のリンクを守る会」の戸田昊生さん（右）と大江赳弘さん

行財政改革を進める長野県茅野市で存廃の検討が進む市国際スケートセンターについて、スケート競技に打ち込む高校生有志が「茅野のリンクを守る会」を結成し、オンライン署名の活動を始めた。「後輩たちが夢を追い掛けて努力できる場、生まれてくる世代がスケートの楽しさを知る場がなくならないように活動していく」としている。 高校生有志のうち、諏訪清陵高の戸田昊生さんと大江赳弘さんが17日夜に茅野市役所で開いた市とスケートクラブに加入する小中高校生や保護者との意見交換会の中で公表し、協力を求めた。 2人は小学校入学前から同センターでスケートに親しみ、小学校に入学後、スケートクラブに加入。競技を通じて心身を鍛え、学校の枠を越えた友情を育み、励まし合いながら技術を磨いた。現在は茅野、諏訪、富士見、原の4市町村の小中高校生26人が参加するクラブに所属。茅野市よりも長い期間スケート場が開く他地域の選手にも負けず、中学時代は全国大会で活躍した。 同センターの利用者は減少傾向だが、1シーズンで延べ3万人前後が利用する。10人の五輪選手を輩出し、地域に根付くスケート文化の拠点となっている。オンライン署名のサイトでは同センターが廃止されると、ほかの練習場まで毎日1時間かけて通う必要があり、家庭環境に恵まれた「限られた人たちだけのスポーツになる」と指摘している。 署名活動について大江さんは「スケートはスケート場がなければ、練習ができない。今、僕たちが動かないときっと後悔する」と語り、戸田さんは「スケートセンターがなくなるということについて、スケートをやっていない人にも知ってほしい。存続や廃止について考えてほしい」と呼び掛けていた。 同会はオンライン署名のほかにインスタグラムのアカウントを開設し、自らの活動を発信していく。