【2023年エンタメベスト】家族に“アイラブユー”をどう伝えるか?日本と海外、そのお国柄の違いも面白い!
映画『THE FIRST SLAM DUNK』
これだけ2022年12月公開の作品なのですが、昨年のベスト5選出時に間に合わずに漏れてしまったので、2023年として入れてしまいます。年明け1月23日(火)には全国で、一度限りの特別再上映があるようです。 まさか宮城リョータにここまで泣かされるとは思わなかった……! 開始5分くらいからリョータの「家族」シーンですでに号泣。そして三井が何かいうたびに、「みっちゃん、あんなにバスケやりたがってたもんね」と、またいちいち号泣。ちなみに、よく原作読んでないけど楽しめるかな? と心配している方がいますが、大丈夫。私が一緒に行った友人はコミック3話分しか予習せずに挑みましたが、その後劇場でおかわりスラダンしたそうです。 山王戦の残り数分のシーンでは、劇場全体が静まり返り、みんなが息を呑んでいました。あの試合は、ぜひとも劇場の大画面で観て欲しい! 8月にスタートしたバスケットワールドカップでは、日本がアジア1位になり、48年ぶりに自力での五輪出場を勝ち取りましたよね。スラダンを観た後だったので余計に感慨深かったですし、感動もひとしおでした。頑張っている選手たちの背景に、リョータのように家族との約束やいろんな事情があるのだなと。そして何より、大画面で観る流川楓、最っ高でした……!
『セックス・エデュケーション シーズン4』
著名なセックスカウンセラーの息子が、童貞だけど母親の見様見真似で高校でセックスカウンセリング・サービスを始める、というイギリス制作のドラマシリーズ。シーズン3から時間があいて久々に観ましたが、第1話から面白い! やっぱり脚本がしっかりしてるんですよねえ。 この作品のいちばんの魅力は、登場人物全員がルーザーなこと。それがどんなに学校で人気者だろうが、社会的に成功していようが、皆悩みを抱えていて。だけどみんな、最終話ではちゃんと成長しているのが素晴らしい。 シーズン4では高校生だった主要キャラたちが大学に入り、これまでとは異なる環境で、新しいメンバーたちと馴染んで行くまでを描いています。その大学はLGBTQ+にオープンで陰口を言ったら罰金、差別が全くないコミュニティを生徒たちが自主的に目指している。だけど蓋を開けてみれば、障がい者には生きづらい設備があったり、アセクシャルの生徒がそれを言い出せずに悩んでいたりする。本当の平等って何だろうね、というのが裏テーマ。 一方、主人公の母親も、高齢でシングルマザーになったはいいものの、久しぶりの育児と慣れないラジオ番組ホストの仕事の両立が上手く行かずに自信喪失。そんなキャラクターたちの姿を通じて、生きるってときにカッコ悪くて惨めなこともあるけど、それはみんな同じで、みんなセックスで悩んだりしながらもがいて生きてるんだな~、と勇気をもらえます。 そしてここでも、「家族」は重要なキーワードに。甘えすぎたり干渉しすぎたり。このドラマに出てくる家族はみんな、様々な問題を抱えていて。家族だから無条件で愛せるだなんてことはないけれど、愛しているならちゃんと「I LOVE YOU」を伝えるのは大事ですよね。 そんなわけで、万人が共感できる良作なのですが、何しろセックス描写が多いので、ご家族との鑑賞はおすすめできません。おひとりでひっそり観ることを推奨します。