【独自取材】富士山だけではない…京都でも市民が頭抱える“オーバーツーリズム” 車道歩く危険行為、民家前で騒音…住民が家から出られず通行禁止になった“人気の路地”も「住んでいる者としては、観光地とは思っていない」
観光客と地域住民とのあつれきが顕著になっているのが、嵐山と並ぶ人気の観光地・祇園。店舗と民家が並ぶ『小袖小路』と呼ばれる100メートルほどの細い路地は、風情ある街並みで、あるネットドラマの舞台にもなりました。しかし、2024年5月29日には観光客の通行が禁止され、違反者には1万円の“罰金”を科すとした看板を設置しました。
(祇園町南側地区協議会・太田磯一さん) 「観光客が、この路地に20人30人来る。流れてくれればいいんですけど、滞留して、ガイドなどが説明を始める。そうなると、お家から出られない状態になるし、もちろん騒音もある。そのあたりが一番の問題点でした」
『小袖小路』は公道ではなく、地区が管理する私道です。すでに迷惑行為が相次ぎ、撮影などは禁止されていましたが、これまでは地域住民の“厚意”で通り抜けることはできました。しかし、地域住民からの苦情が多数寄せられて、この対応に踏み切ったといいます。
ただ、観光客が私道に足を踏みいれてしまう“理由”も―。 (藤枝記者) 「花見小路から伸びるこちらの道は公道なのですが、同じような道幅のこちらの道は、私道です」 祇園には、小袖小路の他にも私道が。地区の協議会は今後、観光客にもわかりやすいように看板を設置し、通行を禁止していく方針とのことです。
(太田さん) 「ここの地域に関しては、観光客相手の土産屋・レストランは皆無。住んでいる者としては、このエリアは観光地とは思っていないです。京都市内で混雑している所は色々ありますが、それぞれ何らかの違う課題を抱えています。京都市も、個々で対策を取っていただきたいなと思います」
京都各地で深刻となっている『オーバーツーリズム』の問題。観光と住民の暮らしの両立はできるのか―模索は続いています。 (「かんさい情報ネットten.」2024年5月3日放送)