仏さんに癒やされ 能登の被災者鑑賞 まるごと奈良博
能登半島地震で奥能登からみなし仮設住宅などに2次避難している被災者が5日、金沢市の石川県立美術館で開催中の奈良国立博物館展「まるごと奈良博」を訪れ、慈悲深い表情を浮かべた仏像や祈りの込められた写経などを見て、心穏やかなひとときを過ごした。 中能登の自宅が全壊して金沢市藤江地区に避難する宮崎則子さん(70)は「ふっくらしたお顔のお地蔵さん、やせ細ったお釈迦(しゃか)さま、いろんな仏さんに出合えてよかった」とほほ笑んだ。輪島市から移った眞井(さない)忠弘さん(83)は「仏像に心癒やされた。写経の整った字には感心しっぱなしだった」と話した。 鑑賞は県老人クラブ連合会の支援事業の一環で実現した。この日は長田町公民館も団体鑑賞に訪れた。 まるごと奈良博は25日まで。同展は「ポスト国民文化祭」の目玉事業となり、開催中の後期展では国宝4点、重要文化財54点を含む137点が並ぶ。