ソフトバンク佐藤直樹、連続死球の直後に踏み込んで決勝打 2020年のドラ1が育成で再出発「やらないとまた野球ができなくなる」
◆ウエスタン・リーグ ソフトバンク7―6中日(17日、タマスタ筑後) ソフトバンクの育成、佐藤直樹外野手(25)が決勝打を含む猛打賞の活躍を見せた。「ヒーローになったのもうれしいけど、2連敗中だったのでチームの初勝利に貢献できたのがうれしい」と笑顔を見せた。 ■宮城大弥と2ショット、育成内野手が1軍で再会誓う【写真】 4点ビハインドの6回。2死から4連続安打で3点を返して1点差に詰め寄り、リチャードと広瀬は死球で満塁のチャンスで打席が回ってきた。ファウルで粘りながらの10球目に真っすぐをはじき返して左翼への2点二塁打。前の打者が連続2死球を受けた直後の打席だったが「怖さは全然なかった。もう一つ死球がきたら押し出しなので」という思いを語った後、「ボールをいい感じで見られていたので、冷静になんとか点を取りたいという思いで打席に立った」と振り返る。 その後、同点とされて迎えた8回2死一、二塁で再び真っすぐを中前に運んで二塁走者の柳町が生還。「打てる気がして、いつも通りに打席に入った結果がヒットになった」と語った。 松山2軍監督は「僕は雰囲気的に彼が2回打つとは思った」と語り、その理由として6回の打席を挙げた。「(前の打者2人に連続死球を出した)投手にあれだけ踏み込んでいった姿を見ると、期待してしまうというか、ああいう気持ちでやっていけば何とかなるというかね」と評価した。 2020年にドラフト1位で入団した佐藤直。昨オフに戦力外通告を受け、育成として再出発している。昨季は1軍の内野守備走塁コーチをしていた松山2軍監督は「今までだったら、多分あんな感じではない、淡泊なところがあった。今年は向かっていっている。そういう気持ちの部分で、何とかやってやるぞという思いが強いとは思う」とも分析した。 佐藤直も「やるしかないし、猛アピールするしかない。やらないとまた野球ができなくなる。そういう思いだけで、前を向くじゃないけど、ミスしても次みたいな。昨年はミスを引きずって、同じような失敗ばっかりを繰り返ししていた。今年は切り替えがうまくできているかなと思う」と心境を語った。 支配下へ返り咲き、1軍で活躍するためにアピールを続ける。 (浜口妙華)
西日本新聞社