第5次厚木基地騒音訴訟 飛行差し止めは認めず 59億円の賠償命じる
厚木基地の騒音をめぐり周辺住民が航空機の飛行差し止めや騒音被害の賠償などを国に求めた第5次厚木基地騒音訴訟。横浜地裁は国におよそ59億円の賠償を命じた一方、航空機の飛行差し止めについては認めませんでした。 この裁判は、大和市や綾瀬市など基地周辺の住民らおよそ8700人が航空機による騒音被害を受けたとして、国に対し夜間飛行の差し止めとおよそ131億円の損害賠償を求めていたものです。 今回の第5次訴訟では、最大の騒音源とされたアメリカ軍の空母艦載機が2018年に岩国基地へ移駐した後の騒音被害について、裁判所がどのような判断を下すかが注目されていました。これまでの裁判で住民側は移駐後もアメリカ軍の戦闘機やオスプレイなどが飛来し被害が続いていると訴え、これに対して国は「騒音は低減した」と主張。 そして迎えた20日の判決では。 記者 「差し止め認めずと書かれています。 集まった人たちからは怒りの表情が広がるとともに不当判決という声も聞かれます」 判決では自衛隊機とアメリカ軍機の飛行差し止めについて、「請求が不適法だ」としていずれも退けました。 一方で、被害については「移駐により騒音は軽減した」としたうえで、「健康被害に結びつく区域に居住する原告らはなお多数だ」とし、国に総額およそ59億円の損害賠償を命じました。 ■原告団「判決は極めて不当」 第5次厚木基地爆音訴訟原告団・大波修二団長 「この判決は極めて不当、納得できないそういう判決我々がどんなにひどい環境の下で生活をしているのか。これを何とか無くしたいということで裁判闘争に参加してもらったのか。その辺りを全く考えていない。全く不当だと思っている」 一方、判決を受け、防衛省南関東防衛局は「今後については判決内容を慎重に検討し、関係機関と十分検討のうえ、適切に対応していく」とコメントしています。
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