『虎に翼』の美佐江に『嘘解き』の品子…YouTubeでも個性が光る片岡凛のゾクっとする魅力
狂気の片岡凛
NHK連続テレビ小説『おむすび』が不評のせいなのか、前作『虎に翼』を懐かしむ声が出ている。同ドラマには注目された“脇役”が多かったことから、彼らの最新作にも注目が集まっている。その一人が、片岡凜(21)だ。 【視聴者を釘付けにした2人】すごい!『虎に翼』打ち上げで伊藤沙莉と土屋志央梨の仲良しツーショット 彼女が演じたのは、主人公・猪爪寅子が新潟に赴任中に係わりを持つ、地元の有力者の娘『森口美佐江』と美佐江の娘である『並木美雪』の二役。高校生の美佐江は東大を目指しているが、その一方で同級生たちを裏で操り、犯罪に手を染めさせている。常に何を考えているのかわからない、心に闇を持つ女子高生だ。 そんなサイコパスのような不気味な雰囲気を漂わせた美佐江を片岡は演じ切ったのだが、その怪演ぶりは好評を博し、SNSでは《美佐江 怖い》《美佐江どうなる》などと『美佐江』がトレンド入りするなど一躍注目を浴びた。 現在放送中のドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)では、第4、5話に出演。『人形屋敷』に住む品子という謎めいた女性を演じている。赤い着物を着て前髪を揃えた姿は、まるで“心霊現象”でよく登場する日本人形のようだ。それだけで不気味さは十分だが、ドラマのラストでは、それまで物静かな品子がいきなりひょう変し、怒り出すシーンが衝撃を与えている。SNSでは《片岡凜ちゃん、美しい》という声と同時に《また狂気の片岡凜が観られるぞ》などと、片岡に魅了される視聴者が続出しているのだ。 片岡は’22年に俳優デビューしたばかりの新人だが、それ以前に、ある“世界”でよく知られる存在だった。 デビュー前年の’21年、群馬県のインターナショナル・スクール在学中に 《世の中に自分の存在を知ってもらいたい》とTikTokを開設すると、あっという間にフォロワーが増え“有名人”に。やがて芸能事務所の目に留まり、スカウトしようとした事務所は20社を超えたという。結局、芸能事務所『フラーム』に所属したのだが、学校を卒業するまでは地元・群馬に住み芸能活動を続けた。 ◆YouTubeで光る彼女の感性とは..… 現在もSNSは続けていて、TikTokは約23万人、インスタグラムは約13万人のフォロワーがいる。’22年10月には公式YouTubeチャンネルを開設し、自分で動画編集しているという。 例えば、ある動画では、「免許を取って普通車を買いたい」という片岡が車を見に行くのだが、なぜか、父親の紹介でヴィンテージカーやレーシングカーのコレクターのところへ。ちなみに片岡は車に全く詳しくない。黄色の『エンツィオ・フェラーリ』を見て「ピカチュウみたい」と喜び、フェラーリのステアリングにある暴れ馬のシンボルマークを見て、「車の中に馬がいる」と表現。 耐久レース用の『ポルシェ906』を見て、「宇宙を走る車みたい」と興奮し、『フォードGT40』を「ロカビリーの人の青い靴みたい」と例えるなど、コメントの一つ一つが感性に溢れ、ヴィンテージカー好きが聞いても、なるほど~! と唸るほど秀逸なのだ。 その個性的なSNSは投稿されるたびに話題になり、ドラマや映画関係者も注目しているという。 「SNSはごく普通の日常を投稿しているのですが、彼女の“素顔”を見ることができて、そのほんわかした雰囲気に癒やされます。一瞬でファンになってしまうと言っても決して大げさではないです。またXでもユニークな投稿をしていますが、その文章力に驚かされます。画面の中のミステリアスな彼女とのギャップに魅入られて、この子を使ってみたい、という監督やプロデューサーが増えました」(制作会社・キャスティング担当) ◆透明感があって、不思議な色気 また、片岡のXにはたびたび父親が登場するが、この父親が実にユニークなのだ。かつてアメリカの大手ホイール会社でデザイナーをしていたという父親は、若いころにロックミュージシャンを目指し群馬から上京したが、レコード会社と方向性が合わず、辞めて路上生活をしていたことがあるという。彼のXのポストもユニークで、片岡の個性は多分に父親のDNAを受け継いでいるからなのだろう。何せ父親とは1日に何度も電話する仲だという。 では、肝心の俳優としての評価はどうなのか。 「まだ未知数ではありますが、朝ドラでは“役”がうまくハマったと思います。『嘘解きレトリック』も同じような不気味な役でしたが、違う個性をしっかり演じています。不気味なのに透明感があり、若いのに不思議な色気もあります。存在感が強烈なインパクトを与えるわけではありませんが、ジワ~っと記憶にこびりつくゾクっとするような魅力があります。演じる役で観る人に強いインパクトを与える女優だと思います。それが彼女の魅力でもあり、強みかもしれません。同じ事務所の山口紗弥加(44)さんのような息の長い女優になるんじゃないでしょうか」(前出・キャスティング担当) 同年代の女優たちの中ではすでに頭一つ飛び出た感があり、今後ますます“気になる”女優になることは間違いない──。
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