阪神・前川右京 開幕左翼へ前進2試合連続マルチ 聖地で躍動!4戦12の5で打率・417 「ステップアップしていると思う」
「オープン戦、阪神4-5巨人」(10日、甲子園球場) 満員のスタンドから送られた歓声が心地よい。塁上でホッとした表情を見せた。阪神・前川右京外野手が2試合連続マルチ安打。「2安打打てたのは良かった」。またも開幕左翼を自力でたぐり寄せた。 【写真】試合中はめちゃくちゃ怖かった岡田監督 ベンチからマジで睨み付ける 開幕カードで対戦する巨人と甲子園で今年初の「伝統の一戦」。日曜日のデーゲームということもあって、オープン戦で歴代最多となる4万1129人が詰めかけた。「満員の甲子園で去年、何試合かやらせてもらってるんで」。まだ20歳ながら大歓声の中でも落ち着いて持ち味を発揮した。 二回2死はカウント2-1から高橋礼の112キロの外角スライダーに少し体を前に出されかけた。それでも強靱(きょうじん)な下半身で粘り、バットの芯で捉えて中前打。六回2死一塁は船迫に追い込まれた後、カウント1-2から真ん中低めの146キロ直球を右前に打ち返した。 甲子園で息を吹き返した。今年は初実戦となった2月11日の紅白戦で4打数4安打と最高の滑り出しを見せた。だが、オープン戦が始まると快音がストップ。3日・日本ハム戦まで甲子園以外で開催された5試合は8打数無安打だった。 ところが、今年の甲子園初戦となった6日・楽天戦でオープン戦初安打を放つと、この試合まで甲子園の4試合で12打数5安打、打率・417。ノイジー、井上、ミエセス、小野寺ら左翼を争うライバルを上回るアピールを見せている。 安打も捉えた鋭い当たりが多く、打撃内容もいい。「初めはなかなか結果が出ていなかったので。その中で結果が出ているということはステップアップしていると思う」と手応えを口にする。 開幕まで残り10試合。課題の外野守備は日々練習を重ね、打撃に集中できる状況をつくりあげようと必死だ。「(打撃で)結果が出ているけど、いいところと悪いところを区別して頑張りたい」。高卒3年目での開幕スタメンへ。勢いのまま突っ走る。