決して終わった選手じゃない!アン・シネが語る「日本復帰の現在地」と「メディア露出減少に思うこと」
’17年に日本女子プロゴルフ(JLPGA)ツアーに初参戦し、“セクシークイーン旋風”を巻き起こしたアン・シネ。’19年シーズンを最後に第一線からは退いていたが、昨年11月に行われた韓国国内戦で復帰を果たした。 【画像】すごい…アン・シネ「タイトなTシャツ姿」で際立つ身体にファンの視線は釘付け…! 年末に行われたファイナルQT(予選会)を突破し、今季は5年ぶりに日本ツアーに参戦。6月14~16日に行われた『ニチレイレディス』終了後に、中盤戦(9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンまで)の出場権を決める『第1回リランキング』が実施されたのだが、アン・シネは26位で出場権を獲得した。 数年間のブランクに加えて33歳という年齢。過酷なツアー転戦だが、それでも食らいついている。3月の開幕から6月中旬までに出場した11試合中、6試合で予選通過。3月の『アクサレディス in MIYAZAKI』では10位タイでフィニッシュするなど、レギュラーツアーでも戦える力を見せつけた。第1回リランキングを突破した心境について聞くと、素直に喜びを口にした。 「今後も試合に出られるということで本当にうれしいです。さらにメジャーや今まで出たことのない試合に出られるということで楽しみがさらに増えました」 ゴルフの状態や調子については、「前半戦に3週間ほど休んだ期間があったのですが、試合勘が少し鈍っているのか、連戦を続けてショットの感覚を上げて、自信をつけたいと思っています」と語る。実戦を継続させることで、安定した成績が残せると肌で感じているようだ。初めてプレーするコースも多いため、マネジメントやコンディションの把握はとても大事になってくる。 「ショートゲームは大会ごとにコースコンディションが変わるので、その都度、グリーンと芝、ラフに適応しなければならないのですが、常に上位にくる実力のある選手に追いつくには、より努力しなければならないと感じています」 リランキング突破で前半戦の目標を一つクリアしたわけだが、5年ぶりのツアー現場では「世代交代」を感じるという。 「本当に若い選手たちが日本ツアーを引っ張っていて、活躍ぶりが目覚ましいです。飛距離もあるのですが、ショートゲームがうまい選手が多い」 また、観戦に訪れるギャラリーの雰囲気については「日本の観戦者やファンはマナーがよく、試合に出るたびに選手を思う気持ちの強さを感じます。5年ぶりのツアー復帰にもかかわらず、私のことを応援してくれるファンがいることがとても不思議で、いつも感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔を見せた。 これからは過酷な夏場の連戦に突入する。もちろん優勝したい気持ちはあるだろうが、まずは自分のゴルフをすることを第一に心掛けている。 「数試合の出場で、ショットの距離も伸びて精度も高くなりました。このままの調子でいけば、後半戦も期待できると思います。パーオン率が低いのでそこが修正点。グリーンが小さく、砲台グリーンが多いので、セカンドショットやパー3のティショットをするときに少しプレッシャーがあります。さらにショットの精度を高めるための練習を頑張っていきたい。目標は第2回ランキングを突破することです」 ’20年には日本ツアー出場権を持ちながらも、コロナ禍による入国制限などで、日韓の行き来を断念せざるを得なくなり、モチベーションの低下で自然と表舞台から消え去った。一度は第一線から退いたアン・シネが、再びこうして多くの日本のファンの前に姿を見せ、着実に結果を残しゴルフを続けている。そのメンタルにはもっと拍手が送られてもいいだろう。 もちろん、たびたび話題になる明るいカラーのウェアやミニスカートで見る人を楽しませる気持ちは変わっていない。面白いのはメディアの注目度が以前よりは低いことについてアン・シネ自身、自覚していたこと。それについては笑ってこう話していた。 「以前よりも関心がなくなっているのは事実なのですが(笑)。それでも毎試合、楽しくゴルフしています。むしろプレッシャーがなくなり、自分のゴルフを楽しむことができていますし、気持ちはとても楽です」 もちろん優勝争いに絡めば、自然と中継やメディアに登場する機会も増えるもの。若手の中に混じり、後半戦は上位争いをする“ビジュアルクイーン”として、ゴルフ界の盛り上げに一役買ってもらいたい。 取材・文:金明昱(キム・ミョンウ)
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