ロレックス正規品販売店や買取店もグル、背後には暴力団まで…!儲かってしょうがない…!福岡・巨大「ロレックス転売グループ」が行う「希少モデルを月70本大量入手」の驚愕手口
「売り上げ」の分け方
X氏からA氏に送られてきた「報告書」には、細かい収支も記載されている。たとえば、次のような内容だ。 〈デイトナ白文字盤594→739名義30外商25〉 これは、定価594万円のデイトナを739万円で転売。名義人に30万円、外商部員へ25万円の謝礼を支払ったという意味だ。その残金から、出資者A氏が40%(36万円)、X氏が60%(54万円)を手にする。 Xグループは月に約70本ものロレックスを入手し、転売。1本100万円以上の転売益が出ることも多く、売り上げは莫大な額にのぼった。 当然、この転売ビジネスの「肝」は、いかにロレックス販売店から情報をもらい、販売の便宜を図ってもらうかである。
販売店が協力するワケ
A氏が振り返る。 「X氏は一度、私を北九州市内の正規品販売店に連れていきました。店に入ると、顔パスという感じでVIPルームに案内され、店長から希少モデルの時計を3本見せられました。一見の客が希少モデルを一度に3本も提案されることはまずあり得ません。X氏と店長が、極めて親密な関係であることが窺えました」 X氏の転売グループはLINEのグループトークを使ってやり取りをしていたが、そこには、正規品販売店の店長からきた時計の入荷情報が次々と投稿されている。 また、 〈○○が(希少モデル)出させると言っていた〉 〈ちょっと○○に連絡してみる〉 (※○○には店長の名前) などといった文言もたびたび見られた。 転売グループの関係者が明かす。 「店舗の店長には、転売グループに時計購入の便宜を図る見返りに、報酬が支払われるシステムでした。我々はこれを『ブティックバック』と呼んでいた。ただし、報酬は転売グループではなく、買い取り店が支払っていた。つまり、買い取り店もグル。足がつかないように手が込んでいました」 ……・・ 日本中のファンがロレックスを求めて店を何度も訪ねているなかで、X氏のグループが月に何十本も購入していたなんて、そんなことは本当に可能なのか。 つづく後編記事『デイトナやサブマリーナーを大量購入して荒稼ぎ…!巨大「ロレックス転売グループ」と「正規品販売店」の密接交際…キャバクラに連れて行って篭絡、キックバックも約束!』では、転売システムの闇にさらに迫ります。 「週刊現代」2024年11月16日・11月23日合併号より
週刊現代、竹輪 次郎