まもなく山場 過熱する中学受験、今年も激戦に? 戦記氏「親が期待値を暴走させないことが大事」
受験シーズン真っ只中、中学受験も東京・神奈川などで試験が始まる2月1日に向けて、大詰めを迎えている。難関中学となると、ただ問題を解くだけではなく、様々なテーマのディスカッションが提示され意見や反論を求められるなど、論理的に考えて表現する力が問われ、大人でも難しいとの声も。 【映像】“仮想ひろゆき”? 慶應湘南藤沢中等部の「国語」問題 首都圏の中学受験者は2015年から右肩上がりで、2023年は過去最多の5万2600人に。幼いうちからの準備や塾通いなど、勉強面でも経済面でも親子が総力戦で挑むといっても過言ではない。勉強の習慣がつき、難関高校・大学の受験に向けた下地ができるなどメリットがある一方で、「偏差値や成績がそのまま子どもへの評価となって追い詰めることも」「難関中の試験が難しくなりすぎて、子どもが病んでいると聞いた」とデメリットを考えるべきとの声もある。 中学受験の意義や今後について、娘の中学受験記が話題の教育投資ジャーナリストの戦記氏とともに『ABEMA Prime』で議論した。
■戦記氏が語るメリット・デメリット、課題、市場
受験を控えた親子の心境について、戦記氏は「もうドキドキだ。小学校を休ませて、風邪をひかない、コロナにかからないということを敢行されている方もいると思う。親御さんも人と会う仕事をしている方は感染リスクがあるので、“帰ってくるな”と。2週間ホテル住まいといったケースもある」と話す。 過熱する背景については、「特に東京の港区や文京区は受験比率が50%を超えていて、ごそっと優秀な層が抜ける。受験しなかった子が公立に行く構造と、学校のレベルを維持できなくなる現象が起きていて、これを嫌って受験する流れができている」と指摘。一方で、「そろそろピークなのではないか。上がらない賃金、インフレ、教育費の上昇も考えると、このまま伸びていく市場ではないと思っている」と予想する。
課題としては、「塾漬けになってしまうこと。本来、親子で一緒に土日に遊びに行くとか、映画を観るとか、料理を作るといったことができなくなってしまう」「“うちの子はできるのではないか”という期待が、ふたを開けてみたら全然できないというところで、過激な塾通いや睡眠時間を削ってしまうということが起こる。親が期待値を暴走させないことが大事だ」と述べた。 戦記氏は中学受験肯定派だという。「小学生はある程度自我が発達しているということで、集中的に勉強してみる経験と、テストができた・できないという現実と向き合うことを通じて、自分の能力を把握する。どんどんクリアしていくイメージで、実力はついていくと思う。その経験は今後も活きるのでは」との見方を示す。また、親に反発するなど思春期のリスクがないうちに受験できること、入学後は同じタイプで自分より優秀な子もいる環境にいられることなどもあげた。