「アベスニード」実らず…巨人0封負け ヤクルト・サイスニードを想定…阿部監督が打撃投手
◆JERA セ・リーグ 巨人0―3ヤクルト(22日・東京ドーム) 巨人が12度目零封負けでリーグ再開2連敗を喫し、借金生活へ逆戻りした。先発のフォスター・グリフィン投手(28)が7回4安打無失点と好投したが、打線が援護できないまま迎えた8回、救援陣がヤクルト打線につかまり3失点。これでヤクルトには本拠地では史上初の開幕5連敗。また、東京Dで零封負け7度は13年と並び早くもワーストタイだ。不名誉な記録を23日の3戦目で何とか止めたい。 【ハイライト動画】巨人・グリフィンが7回無失点の好投も救援陣が3失点で2連敗 連日の4万人以上となる大観衆から、ため息が漏れた。0―3の9回2死、吉川が田口の前に二ゴロに倒れてゲームセット。4回以降、二塁を踏めず見せ場を作れなかった。阿部監督が「ゼロに抑えたら一生負けないけど、ゼロだったら一生勝てない」と振り返ったように本塁が遠かった。完封負けは広島と並びリーグ最多タイの今季12度目。0―0の引き分けを含めると14度目の無得点となった。 21日は初回無死二塁で2番・立岡がヒッティングも左飛で走者を進められなかった。その反省も踏まえて2番に門脇を起用。「何とか得点圏に置きたいので。きのう指摘されたのでね」とつなぎ役として期待を込め、初回無死一塁で送りバントを決めたが得点には結びつかなかった。5番には岸田を入れ、坂本を7番に下げたが、5番以降の先発打者が15打数無安打。好調の1番・丸が3安打したが、下位から上位につなげられず、かみ合わなかった。 午後2時前、全体練習前の早出特打に阿部監督の姿があった。秋広や門脇らを相手に指揮官自ら打撃投手を務めた。キャンプ中はあったが、シーズン開幕後では初めて。直球だけでなくカットボールなど変化球も交ぜて実戦さながらの投球を見せた。萩尾が「アベスニードですね」と、言うように相手先発のサイスニードを想定して熱投した。 リーグ戦再開初戦の21日は9回に2点を返したが、8回まで無得点。「打てないなら練習するしかないですよね」と、何かを変えたいという思いで早出の打撃投手を買って出た。「打てない人は(早出特打に)来たほうがいいと思うんですけどね。いくらでも投げてあげますので」。この日は全て単打の6安打で完封負け。現状打破のためには練習から粘り強くバットを振り続けるしかない。 2連敗で借金1。東京D30試合目で零封負け7度は早くも13年に並びワーストタイだ。首位・広島とは4ゲーム差で、ここが踏ん張りどころだ。「3連敗はできないので、とにかく明日。借金生活に入ったし、みんなピリッとしてくれると思うのでね。明日、切り替えて頑張ります」。今3連戦はヤクルトとの「TOKYOシリーズ」として行われ、連日チケットは完売。満員の本拠地でこれ以上ズルズルいくわけにはいかない。(片岡 優帆) 堀内恒夫Point3打席で3三振。坂本の状態がひどいな。この打者は調子が悪い時には何でも打ちに行く。投手からすればこれほど打ち取りやすいバッターはいない。何でも手を出してくるから、ストライクが要らないからだ。それでも、投手からしたら、坂本が中軸を打ってくるのは怖い。坂本にとっても、7番はプライドを感じる打順ではないはずだ。こんな調子が続くようなら、打順を下位に落とすよりも、思い切ってスタメンから外して、リフレッシュさせる方がいいのではないか。 【巨人記録室】巨人は東京Dでのヤクルト戦に完封負け。今年の完封負けは12度目となり、そのうち7度が東京Dになる。この球場でシーズン7度の完封負けは、13年と並んで最も多くなった。 これで今年のヤクルト戦は4勝6敗。敵地では鹿児島○、神宮○○○●と合わせて4勝1敗なのに、本拠地の東京Dで●●●●●の5連敗だ。この球場でヤクルトに5連敗は、97年6~7月の5連敗と並んで最多。後楽園を含め本拠地球場で開幕から5連敗は初めてになる。 東京Dでのヤクルト戦で巨人の得点は、03020点。3度の完封負けを喫し5試合で計5点だけ。打線が合わせて156打数30安打の打率.192。本塁打は4月30日に打った丸のソロ1本しかない。カード別に東京Dでシーズン3度の完封負けは、90年の広島、13年の阪神、17年のヤクルトに次いで4度目。こちらもワースト記録に並んでしまった。 (阿部 大和)
報知新聞社