「当事者意識を持ってほしい…」高校生が東日本大震災の映画を上映~地域の防災力向上のため
東日本大震災の発生からまもなく13年です。震災の記憶をつなぎ、地域の防災に役立てようと北九州市の高校生が映画の上映会を開きました。 【写真で見る】上映会に込めた思い 北九州市戸畑区のひびき高校の生徒7人が企画
震災で友人や家族を失った子どもの“その後”を描いた作品
23日、北九州市戸畑区の九州工業大学で開かれた映画の上映会。鑑賞したのは、宮城県石巻市出身で中学2年の時に東日本大震災を経験した映像作家の佐藤そのみさんが監督した2本の作品です。1つは、震災1か月後の石巻市を描いた「春をかさねて」。もう1つは、震災で友人や家族を亡くした子どもたちのその後を描いた「あなたの瞳に話せたら」です。この上映会は北九州市戸畑区のひびき高校の生徒7人が企画しました。21日、ひびき高校では、生徒たちが上映会に向けた準備を進めていました。来場者に配る地震の備えについて書いたパンフレットも手作りしました。 ひびき高校大庭ひかりさん「揺れたときのために棚とかテレビをこういうもので固定したら良いですよというのを書いています」
「当事者意識を持ってほしい」上映会に込めた思い
高校生たちはこれまでもパレスチナ自治区ガザの日常を描いた作品など上映会を定期的に開催してきました。今回は先月の能登半島地震を受けて震災に関する作品を選んだそうです。 大庭さん「北九州市はあまり震災がなくて当事者意識がないから、私たちが上映することで少しでも色んな人に、私たちを含め当事者意識をもてるようにしたいと思ってこの作品を選びました。もしもがあったときのための行動をするきっかけにしてもらいたい」 2時間半にわたった上映会には、市民などおよそ100人が参加しました。 来場した男性「実際に体験された方が実際に思いを込めて作られたものということで感じることが多かった」 女性「震災が起きたら本当に動けるんだろうか、ということを感じますね」 映像作家 佐藤そのみさん「私の映画を見つけてくださったことが純粋に嬉しい。映画を通して震災を近くに感じてもらえたら嬉しいなと感じます」 大庭さん「多くの人が真剣に見て下さっていて、私たちの思いが伝わっていれば良いなと思っています」